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 2004年 第4回定例議会議事録
一般質問 <要旨>
1.安心して暮らせるまちづくり
(1) 多文化共生に基づく防災体制づくり
(2) 高齢者・障がい者への支援体制―防災編―
(3) 突然倒れたときにどうする?−救急体制のひとつとしてー
2.八王子ゆめおりプラン実行編から見える八王子の将来
(1)3ヵ年の間に予定されている大型公共施設整備計画の妥当性
(2)エコセメント工場建設と戸吹最終処分場建設について
3.特別支援教育の見通し
(1) 今までの取り組みとその評価
(2) 一人一人の声が聞こえていますか?
(3) 今後の展望
【萩生田富司議長】 次は、第9番、陣内泰子議員。
【9番陣内泰子議員】それでは、通告に従いまして一般質問いたします。私の通告は、安心して暮  らせるまちづくり、そして、八王子ゆめおりプランの実行編について、そして、特別支援教育の見通し についてお伺いしていきたいと思います。
 まず、新潟県中越地震から1ヵ月余りがたちます。多くの被害がもたらされ、今なお7,000人近くの 方が不自由な避難生活を送られています。本当に心からのお見舞いを申し上げます。そして、寒さに向 かう季節です。一日も早い復旧を願うばかりです。
 今災害に対して、八王子としてもいち早く救援物資の発送や救援隊の派遣を実行いたしました。阪 神・淡路の震災で、多くのボランティアが現地を訪れ、救援活動を展開してきた経験があるのですが、 問題点としては、ボランティアへの指揮系列の整備が指摘されていたと思います。まさに現地で実地に 学んでこそ、次への教訓として生かされるものでもあることから、今回の救援隊の方々の活動、そして、 そこから得た救援体制の今後のあり方など、ぜひ八王子の安心づくりに役立てていただきたいと思いま す。
 災害時の対策については、9月議会、そして、今回もさまざま議論されてきました。そこで、今まで に触れられてこなかったこと、そして、中越地震災害に遭遇することによって指摘されたことなどにつ いて、若干触れたいと思います。それは、外国人の災害対策です。
 ことし4月に改定された八王子市地域防災計画にも、外国人対策の推進が掲げられています。それに よると、基本方針として、1、防災パンフレット、防災訓練の参加等による防災知識の普及啓発、2、 災害時における外国人支援団体等との連携、3、災害時における外国人への情報提供体制等の整備とな っています。ちょうど私がこの一般質問の発言通告を提出したその日、市民活動推進部から、英語、中 国語によるモパイル版の防災情報を提供するとの報告を受けたところです。
 そこでお伺いいたします。 その案内文書にも書かれていることですが、大規模災害発生時には、避難 所情報、物資情報等の災害情報を提供する予定ですとなっています。ということは、この基本方針に掲 げられている3番の外国人への情報提供体制が整備されたと理解していいのでしょうか。外国人に対す る情報伝達方法、体制をどのように認識しているのでしょうか、お答えください。
 現在、八王子には101カ国、7,827名の方が外国人登録されています。もちろん、これ以上に旅行者等 も含めるとさらに多くの外国人の方が八王子で生活されていると言えます。一番多い国が中国の方で 2,815人、次いで韓国、朝鮮の方が1,887人、フィリピンの方、1,083人となっています。現在は英語と 中国語によるモパイル情報ということですが、それ以外の言語についてはどのようにお考えでしょうか。  それと、10月17日、船田小学校で外国人のための防災訓練が行われました。この防災訓練について、 どのように周知されたのか。参加者、そして、当日の防災訓練ではどういった言語が使用されたのか教 えてください。
 そして、この防災訓練の今後の教訓として、どのように評価されておいででしょうか、お答えくださ い。
 それと、現在ある防災ガイドブックですが、タイトルは英語、中国語、ハングル語で書かれているの ですが、内容となると日本語ばかりです。ぜひこういったガイドブックも見直していただきたいと思い ますがいかがでしょうか。東京都のように、全文多言語での説明が必要と思います。
 次に、10月にゆめおりプラン実行編として、17年度、18年度、そして19年度の3ヵ年計画が発表され ました。あわせて財政計画編も発表されました。いずれもホームページ、そして市報に掲載されていま す。ある意味で、これからの3年間の八王子の方向性を示しているものと言えます。今回のゆめおりプ ラン実行編は、市民参加によってつくられたゆめおりプランの着実な実行のための具体的な計画と位置 づけられ、財源的枠組みも示されているのですが、このプラン実行編に記載されている事業に対する市 民の意見をどのような形で集約するお考えなのでしょうか。
 ホームページには、積極的に御意見を求めるといった記載はなく、お問い合わせ先の記述のみで、市 民意見の集約の姿勢が見られません。しかも、こういった事業の実施に当たっては、どれぐらいの事業 費が全体としてかかるのかをあわせて示さなければ、それが本当に市にとって必要なものなのか、市民 にとって優先順位の高いものなのか、なかなか判断できません。そういう意味で、今回の実行編の記述 は親切さに欠けていると言えます。というか、市民に対して十分な説明責任を果たしているものとは言 えません。
 そこでお伺いいたします。私自身がこのプランから大型事業、多額の経費を伴う事業を抜き出しまし たので、まずそれらの予定総事業費を概算で結構ですのでお示しください。八王子ニュータウン中央地 域小学校の新設、戸吹総合スポーツ施設の整備、新市民会館整備、八王子駅南口地区市街地整備、高尾 駅北口駅前広場及び南北自由通路、道の駅の建設、中央道八王子インター北地区整備促進、道の駅地域 振興施設の整備、高尾山ろく駐車場の整備、戸吹第二最終処分場の建設、以上が大型開発事業、建設事 業として抜き出したものです。小中学校の耐震事業、道路整備や区画整備事業は除いております。まだ 漏れているものがあるかもしれませんが、それでもかなりたくさんあります。全部で11件挙がっでおり ます。
 特にこの議会でも問題となっている新市民会館建設を含む南口の再開発、中央道インター北地区整備 などは大きく八王子のまちとしての様相を変えるものでもあります。市民から見ると、いつの間にこん なものができたのか、財政難の中、いろいろな事業が切り詰められているのに、こういった大型開発は 別なのか、建設費の借金は未来の負債として次の世代へ先送りされるといった印象をぬぐえません。
 次に、特別支援教育についてです。
 特別支援教育の実施が東京都のモデル事業として今年度から始まっています。11月15日の市報に折り 込まれたはちおうじの教育、ここでも特集記事になっております。そして、広く市民の知るところとな っています。ノーマライゼーションの実現を目指す新しい教育体制というその趣旨は評価できるのです が、その一方で、新たな差別を生み出すおそれもあると危惧しています。市は2007年からの本格実施に 先駆け、小学校10校、中学校3校でモデル事業を実施しています。実際にどのような取り組みを行って いるのでしょうか。また、モデル校以外でも校内委員会ができているということですが、この校内委員 会の役割とは何か。また、実際にどのような機能を果たしているのでしょうか、お伺いいたします。
 これで1回目の質問を終わります。
【萩生田富司議長】 市民活動推進部長。
【白柳和義市民活動推進部長】 外国人に対する災害時の情報伝達についてでございますが、現在、 庁内におきまして、国際化推進事業協力員として登録をしておる職員により検討を進めております。こ の中でも、実施に当たっては、これらの職員のほか、市民による語学ボランティアや市内外の外国人支 援団体などと連携をして対応していくという計画を今っくっているところでございます。
 具体的な伝達方法につきましては、今回の中越地震の経験からも、外国人に対しましては、防災無線 等の音声による連絡だけでは不十分と考えまして、これを補完する意味でも、日ごろから外国人と接し ている支援団体あるいは大学の留学生担当、また、企業の担当等を通じた個別のネットワークを活用し、 メールなどを利用した個別の伝達方法等こういったシステムづくりをしていきたいというふうに現在考 えております。
 また、理想的には、外国人の方々が生活をする地域の中で、お隣、近所からの伝達、こういったもの も必要でございますので、こういった働きかけについても対応していきたいなというふうに考えており ます。
 また、災害発生後の伝達方法の1つとして、携帯電話から利用できるホームページのモパイル版でご ざいますが、これについては、先般英語と中国語によるページを立ち上げたところでございます。ただ、 この言語の拡大につきましては、携帯電話の方のハード的な制約がございますので、現時点では困難で ございます。
 このように情報伝達の体制づくりについては、徐々に整備ができつつあるというふうに考えておりま す。
 次に、総合防災訓練への外国人参加についてでございますけれども、参加の周知につきましては、大 学、国際交流団体へお知らせをしたほか、国際交流コーナーなどでチラシの配布を行いました。これに より、外国人参加者が25名、語学ボランティア7名、また学生からも4名の参加をいただいたところで ございます。
 言語につきましては、5言語の対応準備を行いましたが、当日利用いたしましたのは、直接参加者に 対しては英語と中国語の2カ国語、また、スペイン語を含めたアナウンスを行ったところでございます。
 今回の訓練では、地震のない国から来日されました外国人につきましては、起震車、これの体験が非 常に効果があったようでございます。
 また、外国人を支える語学ボランティアや地域からの参加者、また、他の団体からの参加者からも、 こういった外国人の方々の参加者を見る中で参加支援の必要性についての声を伺いまして、そういう意 味では非常に効果があったかなというふうに考えます。これらを踏まえ、外国人に対するこういった防 災訓練、防災意識の啓発、これについては今後とも鋭意進めていきたいというふうに考えております。 【萩生田富司議長】 生活安全部長。
【村山博夫生活安全部長】防災マップ等についての東京都のように全文多言語で説明をという御質 問でございます。防災マップにつきましては、平成9年度に全戸配付を行いまして、それ以後は本市へ の転入者に配付をしております。その後、平成12年度、14年度に増刷をしておりまして、残部数との関 係もありますが、次回の改定時には、課題としてスペースの問題もありますが、多言語での全文説明も 視野に入れて考えていきたいというふうに考えております。
【萩生田富司議長】 総合政策部長。
【西田和夫総合政策部長】ゆめおりプラン実行編に関する御質問で、この中で大型公共事業という ことで、質問者の方から幾つか挙げられました。それの総事業費をということでございます。
 まず、八王子ニュータウン中央地域小学校の新設でございますが、総事業費としては23億7,800万円 ということで、事業終了を18年度というふうに見込んでいるところでございます。
 それから、戸吹総合スポーツ施設の整備につきましては5億1,300万円、これは20年度を終了年度と しております。
 それから、道の駅の整備でございますが、4億4,500万円、これは18年度ということでございます。
 それと、中央道八王子インター北地区の整備につきましては20億円ということで、これも18年度でご ざいます。
 道の駅の地域振興施設の整備につきましては1億5,800万円ということで、これも18年度でございま す。
 それから、高尾山ろくの駐車場の整備でございますが、5,500万円ということで、17年度でございま す。
 戸吹第二最終処分場の建設につきましては19億3,000万円ということで、20年度を終了年度としてお ります。
 それから、新市民会館の整備、そして、八王子駅南口地区の市街地整備、それから、高尾駅北口駅前 広場及び南北自由通路の整備につきましては、これまでもいろいろ御議論がありましたけれども、現時 点で事業規模等が未定でございますので、総事業費等の算出は難しいということでございます。ただ、 事業終了年度は20年度ということで見込んでいるところでございます。
 それから、このゆめおりプランの実行編につきまして、市民生活であるとか、あるいは将来の市政に 影響を及ぼすという事業が議会や市民の意見を聞く機会もないまま位置づけられてしまうことには疑問 を感じるがというような、そういうお話がございました。この議会での予算等審査特別委員会あるいは 決算審査特別委員会での議論、あるいは日ごろの広聴活動、そうしたものを踏まえた中で事業選択を行 っておりますし、また、分野別の計画策定あるいは重要施策の企画立案に当たりましては、市民の皆さ んからの意見反映を行うための努力はしているところでございます。
 市政への市民参加機会、これは、これから充実をしていくわけですけれども、そうした手法のルール 化等、この辺は重要な課題だということで十分認識をしておりますので、早急に取り組んでいきたいと 考えております。
【萩生田富司議長】 教育指導担当参事。
【岡本昌己教育指導担当参事】特別支援教育に関して、2点御質問をいただきました。  本市では、今年度から、2つのモデル事業を実施しております。1つが、特別支援教育体制整備事業 でございます。小学校10校、中学校3校で実施しております。地域の方々やボランティアの支援を得て、 特別指導を行ったり、通級学級の担任が近隣の学校を巡回し助言を行うなど、各学校の実態に応じた内 容になっております。支援が必要な児童生徒につきまして、校内の委員会で組織的に対応しております。
 それから、もう1つの事業が、福祉的モデル事業でございます。市内及び近隣の都立盲ろう養護学校 5校の在籍児童生徒のうち、10名が居住地の八王子市内の市立の小中学校で交流を始めております。事 業の内容は、本人の障害の程度や各学校の事情により、内容はそれぞれ違うものとなっております。
 続きまして、モデル校以外での校内委員会の役割機能でございますけれども、すべての学校に校内の 委員会を設置しております。構成メンバーは、管理職、養護教諭、担任、それからコーディネーター等 が入っております。校内の委員会の基本的な機能は、支援の必要な児童生徒を学校全体で支えていくた めでございます。また、実際には、学校によっては違いがありますが、専門家を招いて校内研修を行っ たり、実際に子どもの事例を検討するなどして、特別支援教育が対象としているLD、ADHD、高機 能自閉症等の子どもの教育の知識や技術をすべての教員が獲得する努力を始めております。 【萩生田富司議長】 第9番、陣内泰子議員。
【9番陣内泰子議員】 いろいろ御答弁いただきました。
 まず、外国人の方々への対応が着実に進んでいるということが示されました。ちょっと古くなります が、2001年9月に、多文化共生ローカルアクション・イン・八王子といった外国人をはじめとした社会 的マイノリティの方々を中心とした多文化な防災実験が市民の人々の問で行われました。そのとき、防 災体制についての提言として、今も幾つかクリアしている問題もあるんですけれども、外国籍住民に対 して、防災放送、防災訓練、市民への告知など、日常的に多言語で行い、また、通訳の配置などをして ほしい。障害者については、トイレ、避難所のバリアフリーの徹底、障害に適した情報伝達をお願いし たい。また、女性に対して、性暴力発生防止のための安全対策、地域リーダーに女性を、また、避難所、 仮設宿泊所などを女性が使いやすいものとするといった内容のもの、この提言ですけれども、これが市 長あて提出されています。
 あと、高齢者や子どもたちに対する提言もこの中には書かれているのですが、先日、この提言書を担 当課の方にお示ししたのですが、まずどのように受けとめられていらっしやいますでしょうか。そして、 これらの提言、どのような形で具体化されていくのかお聞かせいただきたいと思います。
 つまり、今後の防災体制づくりの中でどのように生かしていくとお考えなのでしょうか。特に人権の 尊重、暴力防止といった視点は欠かせないと思いますので、その点よろしくお願いいたします。それに ついてお答えください。
 また、今10月に行われた外国人の方の防災訓練のお話を伺いました。参加者はボランティアも含めて、 何人かおられたということで、それが今後のいい方向へつながっていくと期待しております。ぜひこの ような外国人を含めた防災訓練ですけれども、広くもっと市民にも呼びかけ、国際交流コーナー等にそ の案内が置いてあったということですけれども、より積極的に呼びかけ、ともに助け合うということを 日常の中から身をもって実践していく場にしていっていただきたいと思います。
 一たび大きな災害が起これば、社会的マイノリティの方々にはそれなりの配慮をしつつも、ともに避 難生活をしていく仲間でもあるのです。このローカルアクションの参加者である中国人留学生の方は、 関東大震災のときのような虐殺行為が二度と起こらないようにしてほしい。また、参加された在日朝鮮 人の方からは、きょうは皆が私たちのことを考えていてくれると感じられて、気持ちが温かかったとい った感想が寄せられていました。多文化の理解、交流がいかに必要であるかを物語っています。
 高齢者、障害のある方々への防災体制についてです。この件については、9月議会で質問があり、健 康福祉部の方でマニュアルづくりをしているとお聞きしています。その際、ぜひ心にとめていただきた いのは、地域で暮らす高齢ひとり暮らしの方や障害のある方が、災害時何を望むかといったニーズをき ちんと把握していただきたいということです。つまり、だれが駆けつけるのかということ以上に、だれ に来てほしいと思っているのか、自分の状態をだれにわかっていてほしいと思っているのかといった当 事者の視点です。とかく行政的な対応は、その効率性から言って、障害の違いには配慮しても、なかな かそれ以上の対応が難しい現状です。だからこそ、市民との協働が必要でもあり、日常的にいろいろな ニーズを抱えた人が地域に住んでいるのだということを理解しておく必要があるんです。
11月25日の朝日新聞に、高齢者や障害者といった災害弱者の把握が自治体で約2割にとどまっている と報じていました。八王子の場合はどうでしょうか。どこにどんな人が住んでいるのかといった情報は 個人情報に属することでもあり、慎重な対応が求められますが、当事者ニーズにどこまで配慮できるか ということに留意しながら、行政が全部を把握しなくてもいいのです。だれに連絡すればいいのかとい ったことがわかればいいのですから、マニュアルづくりはまさにネットワークづくりであるということ を心して、ぜひ取り組んでいただきたいと要望いたします。
 また、黒須市長は、新潟県中越地震の起こった翌日に行われました第21回ふれあい運動会で、こうい った機会を通して障害のある方々がお互い知り合い、助け合っていく環境をつくっていくことが大切で すと話しておいでです。安心づくりとは関係づくりです。しかし、安心の関係づくりと同時に、そうい った関係を支えるものとしてのハードの整備が不可欠です。高齢者や障害のある方にとっては、そのハ ンディのある部分をカバーするハードの提供といった行政によるサポートがぜひとも必要になってくる わけです。トイレの整備など、まさに最重要課題です。この提言書にも書かれてあるように、トイレの 問題、まさに日常的深刻な問題です。災害時となれば、まさにこれ以上の問題はないということになり ます。
 また、同じく新聞報道ですが、11月25日の東京新聞で、評論家の小田実氏は、阪神・淡路大震災から 10年たった今でも、被災者に対して国が公的援助の土台をつくり、地方自治体の支援がその上に乗り、 さらにその上に市民個人の拠出による義援金が乗るといった世界の先進国なら当然やるべき根本的な援 助体制はまだこの日本にはでき上がっていないと言っています。地方自治体のやるべきこととして、障 害者、高齢者が使えるトイレなどのハードの整備も含め、障害がある人もない人も、高齢者も女性も、 災害が起こっても安心できるまちづくりをどのように考えておられるのか、市のお考えをお聞かせくだ さい。
 ゆめおりプラン実行編についてです。
 今費用総額を示していただきました。学校建設費については、用地代が含まれていません。そして、 市民会館、南口地区の整備、高尾の北口駅前広場については、事業規模が未定のため総事業費が算出さ れないということで、ゆめおりプラン実行編に掲げてある金額を言いますと、それは駅前整備について は48億円という金額がプランには記載されております。高尾駅の駅前広場及び南北自由通路については 18億円となっております。また、市民会館については、この間議論がさまざまなされております。そし て、決まっていないとはしつつも70億円という金額が示されてきております。しかしながら、保留床に ついては、買い上げるのか、借りるのか、そういう中で事業の内容が決まっていないということです。 それとあと、高尾自然科学博物館の建設、これは22年の末までに建設するという約束になっているとい うことなんですが、これについては、事業費等は一切わかっていないところが現状です。
 そのような中で、今私が個人的に抽出した大型事業11項目、それを単純に足し上げてみても、それで 3年間並びに4年間、20年末ぐらいをめどにした事業として、ここの事業だけで196億円余りとなって います。総事業費の提示というのはなかなか難しいとは思うのですが、事業費を示しながら、改めて市 民に事業の是非、財源とその負担を考えての優先順位を問うべきと考えますが、いかがでしょうか、お 答えください。
 先ほども議会の答弁、議論の中、また、その中で事業の選択をしていっている。また、市民参加のル ールづくりは行っていかなければならないという御答弁をいただきましたが、ぜひ今回に関しても、こ の優先順位を問うというところから始めていただきたいと思います。
 市債についても、鋭意縮減してきているとは言いつつも、さきの議員から、借金返済のために1日の 利息額が示され、若者世代としてはもうこれ以上の負担はごめんだといったような趣旨の発言もありま した。まさに市民の声を聞かなければならないときに来ていると思います。ゆめおりプランは、市民参 加のもとでつくられたものですが、具体的な財源的裏づけはありません。実行編といえども、特にこの 大型開発事業に関しては、このような形で財政的な見通しを個別に示すべきだと考えております。市長 への手紙などの手段で意見を言っても、行政としての回答があるだけではないでしょうか。
 先日、八王子のまちづくり、暮らしのグランドデザインを考えるというシンポジウムがありました。 西田部長もパネラーとして参加されていたのですが、その場で、これからは市民も事業者も行政も、皆 でつくり出す水平の公共を考える時代であり、行政はみずからの限界を認識すべきといった話があり、 責任をともに分かち合うとともに、財源も皆で集めるといったことが求められているという議論があり ました。
 八王子はとても広域です。このような広域の中で、地域によって当然行政ニーズも違ってきているわ けです。今ここで私が出した11の項目の中で、戸吹の総合スポーツ施設、遠いところにあります。だれ が使うのか、こういった遠くにある施設よりも、近くで手軽に使える施設がより効率的に求められてい るということもあるのではないでしょうか。
 また、インター北地区の商業施設開発についても、今議会でもさまざま議論されていますが、地元商 店街の意見はどうなっているのか。住民の声は、そしてまた、中心市街地との関連、そして、広く八王 子の市民の声はといったことがもっともっと精査されなければならないでしよう。そして、そのような ことがもっと市民の前に見せられなければならないと思っております。
 南口の新市民会館についても、聞こえてくるのは再開発事業準備組合の期待と行政サイドのにぎわい をといった希望的観測です。さきの議員の質問に答え、市長からは、今の市民会館をなだめすかしなが ら使っていくなら36億円で済むという話もありました。半分で済むわけです。このように、また今議会 でも、八王子の将来を考え、入るをはかるためにも、新市民会館の建設を含めた南口の再開発整備をし ていかなければならない、自信はあるという市長のお考えをもお聞きしていますが、しかし、優先順位 を決めるのは行政ではなくて市民が決めていく。それがこれからの市民との協働によるまちづくりと言 えるのではないでしょうか。この点についてどのようにお考えかお答えください。
 学校建設や、また耐震事業、そして高尾駅の南北自由通路など、急がなければならない事業も幾つか あります。それらは議会で十分議論され、また、市民への説明責任が果たされている、あるいは市民の ニーズに合致したものであるからです。私は、不要不急の公共事業をする以前にやらなければならない こととして、統合教育をはじめとしただれもが地域でそれぞれのニーズに応じた支援を受け、及び生活 できるソフトづくり、つまり、人的資源の投入が今最も必要とされていると思っています。
 しかも、大型公共施設整備はこれだけではありません。ニツ塚の最終処分場に今エコセメント工場が 建設されているのですが、この建設費を含めて、ごみの最終処分にかかる経費は八王子分担分は15年度 決算で約10億円、そして、16年度予算では11億8,000万円となっています。エコセメント工場の建設費 は約265億円、そして、運営費を入れると、20年間で処分組合試算で総経費765億円、しかし、これには 修繕費や光熱費が含まれていないので、それらを含めると約1,000億円近くかかるとも言われています。 まさに超大型公共事業です。
 25市1町の組合構成自治体がそれぞれ分担金を払って賄うのですが、まだこのエコセメント事業に関 してはそれが決まっていないということです。分担割合を決める減容化計画の検討会が今設置されてい るということですが、エコセメント工場の建設については、ニツ塚最終処分場の延命というだけで、具 体的な資金計画、環境への負荷等何も示されていません。情報公開条例がないことも問題です。まさに、 新市民会館と同様に、最初に建設ありきで、費用はこれだけかかるから支払ってくださいというものに なっています。しかも、持ち込みごみを25%減量したからといって、分担金が25%減るというものでは ありません。そして、その一方で、不燃ごみの最終処分場として戸吹の第二処分場が建設予定となって います。
 そこでお尋ねしますが、建設意図として、自区内処理の原則にのっとってとうたってありますが、三 多摩処分組合からの離脱、つまり、エコセメント事業への加担ではなく、可燃も不燃も、より一層の減 量を図り、ごみゼロを目指して自区内で処理をする。つまり、分担金としての支出をごみ減量対策に充 てるという選択はなかったのでしょうか、お答えください。
 八王子市の財政白書、この平成15年度版には、財政危機の要因を都市基盤整備、施設整備の推進と国 の経済政策がもたらしたもの、及び人件費、扶助費、繰出金の増加としています。今それと同じことを 繰り返そうとしていると言えます。つまり、平成5年から9年にかけて、いちょうホール、夕やけ小や けふれあいの里、あったかホールなど、多くの大型公共施設を建設し、その公債費が今財政逼迫の大き な要因となっていることは行政当局も認めているところです。
 税収も落ち込んできています。それも行政は認めているところです。だからこそ、行政改革、行財政 改革に取り組んでいるのではないでしょうか。少しでも市として独自の政策を実現できるような資金を つくり出し、福祉の増進を図るためなのではないでしょうか。改めてお聞きします。何のための行財政 改革なのでしょうか。
 特別支援教育についてです。
 今お答えをいただきました。特別支援教育については、八王子モデル推進という形で行われています。 今のお話を聞くならば、3つの形でなされている。教員の方たちの研修等も行われているということで すが、私自身、近くで見ておりましても、なかなかそのように、特に特別支援のモデル校でないところ でのさまざまなニーズに十分こたえられるようになっていない、そしてまた、この意図、ノーマライゼ ーション、インクルージョンという考えが十分学校全体の中に浸透していないというふうに感じている 次第です。
 こういった特別支援教育という制度が出てきた背景には、先ほども御答弁がありましたが、学習障害 やADHD、高機能自閉症など、教室の中の気になる子どもたちの存在があり、インクルージョンとし ての教育、つまり、一律の教育ではなくて、子どもたちの多様なニーズにこたえ、支援する必要が出て きているからと言えます。
 東京都の最終報告にもあり、そこで引用されましたサマランカ宣言ですが、それにもインクルーシブ な方向性を持つ学校こそが、差別的な態度と闘い、喜んで受け入れられる地域をつくり、インクルーシ ブな社会を建設し、万人のための教育を達成する最も有効な手段であると言っています。モデル校での 保護者の意見はどのように反映されているのでしょうか。こういった理念の浸透は十分図られているの でしょうか。
 というのも、現在もまだ就学時健診が行われ、簡単な知能検査一今年度から予備検査と名称が変わ ったということですが一実施されていると聞いています。しかしながら、この特別支援教育の趣旨で ある、障害のある子もない子も、地域の学校でともに学び、成長できる社会を目指すという観点から言 うならば、今までの仕組み、こういった仕組みは改めなければならないと思うのですが、いかがでしょ うか。というのも、義務教育の場合、どこで学ぶか、どのように学ぶか、だれが判断するのでしょうか、 お答えいただきたいと思います。
 今まで学校は障害のある子を排除してきました。そして、障害のある子を持つ保護者にとって、地域 の子どもたちと一緒に学ばせたい、保育園や幼稚園をともにしてきた仲間たちと別れたくない、ごく自 然な願いです。しかしながら、多くの場合、保護者の多大な努力によってしかそれは実現してこなかっ たのです。だから、この特別支援教育の理念に初めてノーマライゼーションという言葉が明記されたこ とは大きな希望でもあったかと思います。今までの教育体制の大きな変更、転換でもあるんですから、 今までのような仕組みを見直さなければならないのは当然です。
 人的配置についても同様です。つまり、子どもの持つ地域社会との関係性から、身障学級や養護学級 ではなく、普通学級を希望する場合、担任1人の手で足りないということも起こってくるでしょう。そ うした場合、どうしているのでしょうか。介護員制度や非常勤講師の派遣、アシスタントティーチヤー の加配など、検討されているのでしようか、心配です。
 また、具体的な事例に基づいて、一つ一つにどう対応していくのかといった中から、特別支援教育に 対して学校での取り組みができ上がってくるかと思われますが、学校長などに障害児教育の経験がなか ったり、学校としてそういった蓄積がないところはどうしても及び腰になるところがあるのではないで しょうか。学校長をはじめとした教員の理解や研修、地域の理解を深めるための啓発活動などはどのよ うになっていますか。先ほど教員の理解を深めているということですが、もう少し具体的にお答えいた だきたいと思います。
 保護者からは、不登校児の学校としての高尾山学園には大きな支援が行われているのに、手助けが必 要な子どもには何の支援もないといった声も聞かれているところです。専門教育相談を行うNPO団体 では予約が二、三カ月先までいっぱいということも現状です。教育委員会だけでも対応し切れていない のも実情だと思います。こういったNPO団体にも十分なサポートが得られないでいます。このように ニーズを抱えている子どもたち、そして保護者の声に向き合う体制になっていないように思われます。 こういった現状をどう切り開いていくお考えかお答えいただきたいと思います。
 これで2回目を終わります。
【萩生田富司議長】 生活安全部長。
【村山博夫生活安全部長】私からは、今回の地震の弱者に対する支援策、今後市はどうしていくの か、あるいは現在作成中のマニュアルの中でどう生かすのか等、言ってみれば、安心したまちづくりを どう進めるかということで、全体的にお答えしたいと思います。
 今回の地震につきましては、災害弱者、外国人、お話がありましたように、高齢者、障害者、女性、 子ども、要介護者の方の配慮というのは大変重要だというふうに考えております。10月の地震におきま しても、40人の方が亡くなりまして、そのうち地震によるショック死や・あるいは避難所生活の疲労で 亡くなった方が24人いらっしやる0そのうち65歳以上が7割を占めているという状況もあります。そう いう意味では、今回派遣いたしました職員の報告の話を聞きましても、これらの要援護者に対する配慮 の大切さを痛感したところでございます。
 言ってみれば、具体的には、もし本市で起きた場合の災害時の弱者に対する安否の確認あるいは情報 伝達、必要とする支援の内容の把握、避難所での対応等、いろいろ課題が見えてきておりますので、そ ういう面では、総合的に、しかも全庁的に再検討すべきであるというふうに考えております。
また、1つの例といたしましては、外国人の対策といたしましては、近々支援団体との意見交換会を 学園都市文化課と防災課を交えてやろうという詰も来ております。そういう面では、市独自だけではな くて、各関係団体との連携というのも今後必要だというふうに考えておりますので、それらを踏まえま して、例えば総合訓練などでその対応能力を向上したり、また、現在作成中のマニュアルづくりにもそ れを反映して、全庁的な訓練をしていきたいというふうに考えております。
【萩生田富司議長】総合政策部長。
【西田和夫総合政策部長】今回のゆめおりプラン実行編が事業の優先順位あるいは規模等市民意見 を十分反映したものになっていないというような御意見でございますけれども、これは、先ほど申し上 げましたように、このゆめおりプラン自体が市民の参加の中で協働してつくってきたという経過がござ いますし、このゆめおりプランを実行に移す、実施をする、実現をするというものがこの実行編でござ います。お示しをいたしましたこの実行編と、それから、財政計画編、この中で、これからの3ヵ年の 19年までの事業を実施をしていく、また、そこでの優先順位づけというものを明確にしたつもりでござ  います。
 この計画がその実施達成年度というようなものが明確にされていない。また、その事業費が明らかに されていないということですけれども、先ほど申し上げましたような形の事業になっているということ  でございます。
 それから、市民の意見をどういうふうに反映をしていくのかというお詣でございますが、これは、こ の実行編の中にも、それぞれの事業についてどこが担当しているのかというふうなことでも明記をして おりますし、また、いろいろな形の御意見も寄せていただくというような、そういうシステムにもなっ ておりますので、十分市民からの御意見も反映ができるというふうに思っております。
 それから、この実行編を見ると大型公共事業にシフトしているんではないかなというような御意見で ございます。それと、行財政改革との関連ということでございますけれども、これは、申すまでもなく、 現在の社会経済環境の枠組みが大きく変化をして、国も地方も厳しい状況にあるという中では、あらゆ る施策について、ゼロベースで見直しをし、また、間断なく行財政改革を進めていかなければ、新たな 行政課題に取り組むことはできないわけでございます。そういうことで、全庁を挙げて取り組んでおり ます結果、例えば市債残高が大幅に削減ができたり、あるいは人件費の削減もしたりというようなこと で、いろいろなところで努力をしているところでございます。
 そうした中で、教育であるとか、あるいは福祉は言うまでもありませんけれども、これからの八王子 の将来を考えていく場合に、都市基盤の整備であるとか、産業活性化、こうしたものは八王子のまちづ くりにとっては不可欠な課題でございます。厳しい中ではございますけれども、着実に事業を進めてい くことによって、将来に禍根を残すようなことがあってはならないというふうに考えますし、施策全体 のバランスを総合的に勘案をしながら事業選択をして、優先順位づけをしているつもりでございます。
 これはいろいろ御意見があろうかと思いますが、そういう御意見は寄せていただきまして、そして、 これは年度ごとにローリングもしていくわけですから、そういうものも反映をさせていただきたいなと いうふうに思っているところでございます。
【萩生田富司議長】清掃事業担当部長。
【石垣繁雄清掃事業担当部長】ただいまごみの関係で、自区内処理が原則であるから処分組合より 離脱し、高い分担金についてごみ減量対策に充てたらということでございますが、市民から出されるご みの処理は、基本的に自区内処理が原則ということでございます。しかしながら、ごみ処理施設やリサ イクル施設につきましては、多額な費用がかかること、また、用地の確保が難しい、そういうことを考 えますと、1市だけでなく、一定地域が広域的にその処理やリサイクルについて分担処理し、対応して いくことが効率的であり、また、循環型社会の形成を促進させるものと考えております。このような視 点から、今回の焼却灰をセメント化するという画期的な資源化を実現する処分組合からの離脱について は好ましくないと考えているところでございます。
 一方、計画のあります戸吹第二処分場につきましては、現時点で資源化できない破砕不燃を埋め立て まして、広域処分場の延命を図るものでございます。本市の焼却灰をここに埋めれば、その灰が資源化 されないことにもなりますし、戸吹第二処分場はわずかな年数で満杯にもなります。そうしますと、ま た新たな処分場の確保をしなければならない、そういうことになると考えております。
 なお、本市のごみの減量につきましては、さらに新たな対応を図りまして、一層の減量を図っていき たいと考えているところでございます。
【萩生田富司議長】教育指導担当参事。
【岡本昌己教育指導担当参事】特別支援教育について、6点ほど質問いただきました。
 まず、保護者の意見をどのように反映するかでございますけれども、当然これは保護者と連携しなが ら支援の方法を立てていきたいというふうに考えております。
 2点目は、どこで学ぶか、だれが判断するのかでございますけれども、学級の中で生活面や学習の面 で困っている子どもがおりましたら、保護者や担任が支援を要請し、校長の指導によりまして、校内の 委員会の方で個別指導計画を立てて対応していきたいというふうに考えております。
 続きまして、普通学級を希望する場合、担任1人では大変ではないかというようなお話でございます けれども、ボランティアの方の助けをいただいている事例が非常に多うございます。指導者は教員でな くてはなりませんけれども、補助者は教員でなくてもよいのでございますので、ボランティアの要請あ るいはメンタルサポーター等多様な対応を進めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、具体的な事例に対応する仕組みになっているかということでございますけれども、実際に 指導補助者が必要な場合であったりとか、それから、不得意な教科を補助したりという場合がございま すので、そういう場合には、個別に計画に沿って柔軟に対応していきたいというふうに考えております。
 学校への啓発でございますけれども、当然教員研修、校内研修、それから、コーディネーターとの研 修をしながら、専門医との連携、NPO等との連携、関係諸機関との連携を図ってまいりたいというふ うに思っております。
 最後に、保護者の方に対してはどのように広めていくかということでございますけれども、これまで もモデル校の地区ごとに説明会等を行ってまいりました。今後とも必要に応じ続けてまいりたいと思い ますし、広報等でも詳しくまた追加の説明等を深めてまいりたいというふうに考えております。 【萩生田富司議長】 第9番、陣内泰子議員。
【9番陣内泰子議員】 いろいろ御答弁いただきました。防災体制については、本当に速やかに、そ して対応づくりに取り組んでいられる。そして、その心意気を御答弁いただきまして、ぜひ積極的に進 めていっていただきたいと思います。
 それにつきまして、第3回目です。防災から少し離れますが、安心してできるまちづくりという観点 から1点、救急救命についてお伺いいたします。先日、八王子市医師会主催で、八王子健康づくり推進 協議会が後援団体となって、あなたもできる心臓救急というシンポジウムに参加しました。これは、突 然死に対して、救急車が来るまでに市民にできることとして開発された自動体外除細動器の啓発普及の ための講習会です。多くの方が参加されていました。2003年6月に、サッカーの試合中、カメルーンの 選手が突然倒れ、そのまま亡くなられたことはまだ記憶に新しいのではないでしょうか。突然死でした。
 今日本では、こういった突然死で亡くなられる方が全国で年間3万人ぐらいいると言われています。 1日に約100人の方が突然死で亡くなられるのです。そして、救急救命の立場から言えば、救急車が到 着するまでにそれなりの対応が施されていれば命を助けることができるというのです。まさに心停止か らの蘇生は時間との勝負で、1分一刻を争うとはまさにこのことを言います。つまり、1分処置がおく れるごとに、蘇生の成功率が7%から10%ずつ低下していくというのです。
 つまり、近くにいた人が突然心臓の不整脈によって倒れた場合、救急車を呼ぶのは当然のことですが、 救急車の到着には平均六、七分かかると言われています。突然倒れた人を目撃する、そして、心停止に 気づくまでに約1分、手助け開始に1分、119番通報に1分、救急車の到着までに6分、そして、救急 救命土による観察から心臓マッサージまで2分、最短でも11分かかるとシンポジウムの中で報告されま した。しかし、これでは遅いのです。いずれにしろ、救急車が到着するまでに近くにいる人ができるだ け早く電気ショックを施す。それしか突然死から生還する方法はないというのです。そして、その電気 ショックを施す機械が、自動体外式除細動器なのです。
 厚生労働省は、この7月に、4時間の講習でこの器械を非医療者、一般の市民が使えるように通知を したばかりです。そしてまた、普及に力を入れるべく来年度予算を要望しているとも聞いております。 費用的には1台35万円程度というものです。既に飛行機などには搭載されています。救急救命体制が立 ちおくれていると言われている日本ですが、ぜひこの八王子で率先して、駅や体育館、ホールなどの人 が大勢集まる施設への設置をお願いしたいところです。
 また、それとあわせて普及活動、啓発活動にも市として力を入れていただきたいと思います。お考え をお聞かせください。
 さて、ゆめおりプラン実行編についてです。
 このゆめおりプランは、市民がつくったもので、優先順位は明確にしてある。また、議会での議論を 通して市民意見を反映できている。もちろん、行政改革の目的は厳しい財政運営の中、ゼロベースから 見直している。そして、その中で教育費も福祉も重要であるが、都市基盤の整備、そのため産業振興が 重要であるという御答弁をいただきました。私自身は、もちろんこの議会での議論、今回も出ておりま す。市民会館についても、さまざまな意見が出ております。それを、では、どのようにして決めていく のか。
 そのもう少しきちんとした民主的なルールとして、市民へこの議論、これはもちろん公開されている ので、市民の方々も見ていらっしやいます。そして、こうやって議論が行われている。そして、こんな 意見もある、こういう意見もある、そういうオプションも示しながら、では、何を選択するのかという のは、まさにその責任を負っていくのは市民の人たちであるわけです。そういうオプションを提供しな がら、合意形成を市民の方に示していくということが必要だと考えています。その意味で、事業の進め 方が不透明であると思います。このような施策の決定においては、早く市民参加のルールをつくり、そ れにのっとっての実行プランを見直し、また、大型開発事業の是非をそのようなルールに従って問うて いくべきだと考えています。
 そして、黒須市長にお伺いいたします。黒須市長は、任期中に中核市への移行を表明されていますが、 こういった3カ年の実施計画に書き込まれた大型基盤整備事業は、中核市としての都市が備えるにふさ わしい、あるいは中核市として自治体運営していくに当たって不可欠なものとお考えなのでしょうか。 そして、それに合わせて、中核市のメリット、デメリットは何かお伺いいたしたいと思います。
 中核市として、都市のグレードアップ、イメージアップを図ることによって、観光客などの流入や企 業誘致、そして、それに伴う雇用拡大、税収の増加などを期待するというのは、ある意味で期待外れに 終わることの方が多いと言えます。しかも、そのために、先ほどの総予算額でもわかるように、市財政 にとって自由に使える予算の多くがこういった大型開発事業に投入されようとしているのです。市債を 組めば、さらに自由に使える予算が少なくなるだけです。
 いずれにしろ、大型開発による産業振興にシフトし過ぎている今の施策の方向づけには疑問を感じま す。現場に密着している各担当から出された事業費の積み上げだけでも優に予算規模を突破していると いうのですから、市民の声だけではなく、現場の声も反映されていないのではないでしょうか。八王子 はどこへ行こうとしているのでしょうか。八王子のまちの主役は八王子市民です。
 特別支援教育についてお伺いいたします。
 今多々お答えいただきました。八王子市立小学校は69校、中学校は32校あります。3年間の移行期間 の中で、2007年度からの移行をスムーズに行いたいということで今実施されているわけですが、このよ うなモデル事業の成果、評価、そして、来年度以降の取り組みをどのように考えておられるのでしょう か。
 そして、最後に教育長にお尋ねいたします。この特別支援教育の実施に当たって、特に配慮しなけれ ばならないこと、そして、それに対してのサポートをどのようにお考えなのでしょうかお聞かせくださ い。
 競争原理を教育の場に持ち込むことは、インクルーシブの教育理念に反します。物事の理解が遅かっ たり、じっとしていられないといったことはその子のせいでもありません。ましてや、親のしつけのせ いでもありません。その子それぞれのニーズに合ったサポートが必要なだけなのです。教育長のお考え をお聞きして、一般質問を終わります。
【萩生田富司議長】 健康福祉部長。
【岡部正明健康福祉部長】 私の方からは、自動体外式の除細動器について、救命救急の関係ですけ れども、心筋梗塞などで心停止となった方に対しまして、自動的に心停止を検知して、電気ショックを 与えて心臓の動きを取り戻す、こういう機器になりますが、これにつきましては、これを一般市民が取 り扱うという関係もございますので、現時点におきましては、その機能ですとか治療方法、それから、 関係情報、医師会等からも十分収集をいたしまして、また協議をしまして、その取り組みについて検討 していきたいというふうに考えております。
【萩生田富司議長】 総合政策部長。
【西田和夫総合政策部長】今、このゆめおりプラン実行編の事業が財政バランスを欠いているとい うような御発言がございましたけれども、それは先ほどから申し上げておりますように、そういうこと は決してございませんで、よく財政計画編をお目通しをいただければ、その疑問は解消するんではない かなというふうに思います。
 それから、中核市のメリット、デメリットというお話でございます。御承知のように、中核市制度、 地方分権が進んでいく中でこの制度ができたわけでございますけれども、権限がより多く移譲をされる ことによって、自治体の自由度が増すということで、独自のまちづくりの幅が広がるわけでございます。 それがメリットということでございます。
 現在、中核市に政令指定都市並みの権限を移譲しまうというような動きもございますので、そういう ことが実現をされますと、自由度がさらに増していくということがあろうかと思います。
 反面、その権限に応じた税財源がどこまで保障されるかというのがなかなか見えないところで、この 三位一体の中でもいろいろ議論をされているところではございますけれども、そういう点での問題はあ るというふうに考えております。
【萩生田富司議長】 教育指導担当参事。
【岡本昌己教育指導担当参事】特別支援教育でございますけれども、来年度はモデル校をふやして まいりたいというふうに考えております。
 それから、学校がかなり機能しておりますので、この成果を学校の方にも広めて、また、地域にも広 めてまいりたいというふうに考えております。
【萩生田富司議長】 石川教育長。
【石川和昭教育長】 2点お尋ねをいただきました。
 特別支援教育を推進していく中でのサポート体制と、実施に当たっての配慮すべき点ということでご ざいますが、1点目のサポート体制につきましては、今後の国の法改正や都の制度整備により、現行の 心身障害教育のあり方について見直す必要があり、その動向を見ながら対応していくことになります。
 2点目の実施に当たっての配慮すべき点としましては、心身障害教育から特別支援教育への転換の趣 旨として、ノーマライゼーションの理念が挙げられております。従前、ともすれば心身障害学級のみが 対応してきた障害のある児童生徒への取り組みを学校全体で、児童生徒を含めたすべての人たちが支援 するものにしていかなければならないと考えております。その取り組みにより、教員が子どもたちひと りひとりの理解に基づく教育の姿勢を持つことにつながり、個に応じた教育の実現に近づくと考えてお ります。
【萩生田富司議長】 黒須市長。
【黒須隆一市長】 9番、陣内泰子議員の私に対する質問にお答えをいたします。
 大型公共施設整備は、中核市移行への布石なのかということでございますけれども、私は、中櫛市に 移行する、しないにかかわらず、現在市で取り組んでいる事業は将来の八王子市の自立発展のためには 不可欠なものだというふうに思っております。
 地域産業の活性化、都市基盤整備などは、これは本市にとって必要なことだという観点から、私が公 約として掲げてきたものでございまして、市民の信託を受けて市長として本市のかじ取りをゆだねられ た以上、全力を挙げて実行することが私の責務だというふうに思っております。
 本市は、自立都市として相応の条件とポテンシャルを備えた自治体でありますので、財政問題などの 課題解決の見通しが立てば、中核市への移行に取り組んでいきたい、このように思っています。
【萩生田富司議長】 第9番、陣内泰子議員の質問は終了しました。

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