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 2005年 第4回定例議会 本会議
長池公園、駐車場反対討論

第166号議案八王子市立都市公園の指定管理者の指定について、第167号議案八王子市営駐車場の指定管理者の指定について、両議案について、反対の討論をします。
まず、第166号議案ですが、これは、八王子市長池公園の指定管理者の指定を求めるものです。4者の公募があり、選考の結果、NPO法人フュージョン長池、株式会社 富士植木、そして株式会社 プレイス の3社による企業連合体であるフュージョン長池公園が、選考されました。しかし、採点結果が上位2社、同得点であったため、事業費がより安価である上記企業連合体が選定されたということです。
この選考過程に幾つかの疑問があります。
まず、選考項目と配点基準です。選考項目は@利用の充実・サービスの向上、50点A公共性、公平性、公正性の確保 25点B効率的な管理運営と経費の縮減 200点C個人情報保護と危機管理 50点 D安定・継続した管理運営能力 100点 E業務運営上の知識 25点といった6項目を総合的に判断するというのです。そして、この総合的判断に50点の配点がなされています。
この総合という項目ですが、ある意味で非常に不透明な項目です。選考の透明性を高めるために、複数の項目をさだめ、点数化し、さらに選定委員会で総合的に判断するのですから、改めて点数化する必要があるのか、疑問です。
そして、点数化する必要があると判断しているのなら、あらかじめ、募集要項で、そう明記すべきだったでしょう。

また、さらに、6つの選考項目のうち、一番配点が少ない項目の2倍といった傾斜配点も疑問です。他の指定管理者選考の書類を見てみますと、こういった各項目のバランス、つまり総合的評価といったものを点数化している選考基準もいくつか、見られるのですが、基本チェック項目より高い配点ということはありませんでした。具体的な選考基準より、バランスということに、より高い配点がなされていることに納得がいきませんし、説明もありません。

次に傾斜配点についてです。効率的な管理運営と経費の縮減、という項目には、利用の充実、サービスの向上、と言った項目の4倍の配点がなされています。非常に経費の縮減を重視した選考であったといえるのですが、指定管理者制度の本来の目的は、経費の縮減がその目的ではなく、より充実したサービスの提供、利用者の利便性への配慮、と言ったことが、大きな導入の目的であったはずです。しかし、今回の配点基準を見るならば、こういった利用者サービスの視点がないがしろにされるという、バランスの悪い配点基準となっていると言わざるをえません。さらに、 同点であったため、事業費がより安価のほうを選んだというのですから、このバランスの悪さをさらに、増幅させた結果となっています。
しかも、この長池公園の管理運営は、経費縮減を大目的にしていい施設なのでしょうか。この長池公園には保存すべき豊かな自然とともに、そういった自然をベースにした市民交流・環境教育などの体験学習施設としてのネイチャーセンターがあり、その運営がこの公園のもうひとつの大きな特徴です。
いままで、そこの管理・運営を担っていたのが、今回の企業連合体のひとつであり、また、代表団体でもあるNPOフュージョン長池なのですが、施設利用の公正性や公平性に問題があると1年半前の監査で指摘されていました。改善されているとはいっても、こういった経過が選考委員に情報として提供されていなかったことは問題です。このように、新たな施設の指定管理者選考ではなく、継続されている施設の場合、今までの実績をプラスもマイナスも含めて、どう評価するか、そして、そのことを選考にどのように反映するのかが、考慮されなければなりません。今回の場合、募集要項にボランティア・地元団体との積極的な協働意識を持って運営に当たってください、という管理運営方針がしめされ、また、管理の基準のなかでも、体験学習施設に関して、かなり具体的に方針が示されていましたが、それに該当する選考基準項目が利用の充実・サービスの向上といった大くくりになっていて、しかも配点評価がフォーカスされていないことで、ネイチャーセンター運営の位置づけが非常に低いものとなっていると言わざるを得ません。これは選考の片手落ちではないでしょうか。
また、企業連合体という3社での管理運営なのですが、この連合体が安定的な運営を継続して行いうる団体であるのかどうか、疑問ですし、代表団体以外、2社が市外業者であると言うことも、地元業者の育成に配慮されていないと、委員会質疑の中で指摘されてもいます。
以上、多くの疑問点がある今回の選考結果に反対です。

次に167号議案についてです。
これは八王子駅北口地下駐車場、旭町駐車場、そして南大沢駐車場の指定管理者の選考なのですが、選考されたのは、株式会社東急コミュニティーと、財団法人八王子市住宅・都市整備公社の連合体です。問題は、財団法人八王子市住宅・都市整備公社が先月の理事会・評議会で解散決議をした組織であるということです。解散予定は3月末予定であるところから、現在は組織として存在している団体なのですが、指定管理の開始は4月からで、そのときには、すでに解散していることになっている団体です。どうして事業を行いうるのでしょうか。指定管理者の構成団体が変わっても、継続して事業を行うのだから問題はないと説明されても、それでは何のための選考委員会だったのか。疑問です。
予定では、株式会社の設置が1月に行われ、そこが財団の事業を継続するとされているのですが、決定事項ではありません。財団解散後については、どういった受け皿が必要なのか、必要ないのか、どの事業を引き継ぐのか、何も決まっていません。
こういった不確定要素があるなかで、どうして、安定して管理運営する能力があると判断できるのでしょうか。この選考基準においては、一番高い得点を得ています。

また、公共性、公平性、公正性の担保という選考基準についても、一番高い得点をこの団体が得ているのですが、これとても、財団がなくなれば、当然その評価も違ってくるのではないでしょうか。
そして、財団が解散すると言うことは選考委員へ情報提供されていないし、当然話題にもなっていない事柄だということも明らかになりました。

委員会審議の中で、財団にしろ、新しい株式会社にしろ、どちらも市が100%関与している団体であるし、事業を継続するとされているので、構成団体として、なんら法的に問題はないという見解が示されたのですが、それはあくまでも市側の見解でしかありません。繰り返しますが、財団は解散決議をすでにしている団体であり、かつ、新たな組織については、今はまったくの白紙です。先ほどの採決で、一般補正で出されている会社設立のための1000万円の出資金が認められたとはいえ、まだ、会社設立にはいたっていないし、その会社がどういった事業を行うのかも定款ができていない以上、白紙状態なのです。
以上の理由により、財団法人八王子住宅・都市整備公社が4月以降の事業を行いうる組織として存在しないことから、今回の指定管理者としての指定は認められないし、もし、解散が3月末でなくても、役割は終わったとされている組織である以上、安定的に事業を請け負うことができないと判断せざるを得ません。
よって、167号議案には反対いたします。
今回のこの2議案でも明らかなように、指定管理者制度の問題がいくつか明らかになりました。この制度の導入に当たっては、コスト削減が目的化されてはならないと、指摘してきたのですが、この点の認識が十分でないと言うことがまずいえます。そして、今回、見られたように、一団体ではなく、連合体が指定を受ける場合、安定した運営をどうやって担保するのか、連合体の構成団体が、倒産などでなくなる場合も考えられるとき、そのつど、選考をやり直すのか、事業の継続といって、中身が担保されれば、報告だけでいいのか、 そのとき、だれが事業の継続は保たれていると認めるのか、などなどです。
また、選考のあり方について、職員が選考委員に入っているということから、書類の秘密保持の問題も出てきました。選考委員会にかけられるまで、誰も見ることができないと言うルールをつくらなければなりません。
また、これまでの経過の中で、おおきな団体、組織でないと、指定管理者になれないと言う傾向も出てきました。地元業者の育成、NPO法人の育成と言った観点から、どういったところを指定管理者制度の対象とするか、もっと精査されなければならないし、人を対象とする事業には、指定管理者制度はなじまないと言うことをあらためて指摘して、反対討論を終わります。

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