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2006年度決算審査特別委員会(第3日目)  反対意見(2007/10/15)
◎陣内泰子委員 無所属の陣内泰子です。
 2006年度八王子市一般会計並びに各特別会計決算認定につきまして意見を申し上げます。
 2006年度の総計決算額は、歳入においては前年比2.9%増の3,222億円、また、歳出においても2.5%増の3,184億円となっています。
 市民税を見るならば、34億円の増でありますが、定率減税の廃止や老年者控除の廃止などによる税制改正の影響額がそのうちの26億7,215万円にもなっています。これは裏を返せば、市民の税負担額がふえているということであり、市長も決算の提案説明の中で、1人当たりの給与所得は減少しており、定率減税が縮減されるなど、市民生活は依然として厳しく、景気回復を実感できないものであったと言わざるを得ない状況と言及しています。
 決算質疑の中においても、1人当たりの給与所得減に加えて、課税標準額が200万円以下の人が3,000人もふえたということが明らかにされました。格差が確実に広がっているということで、市民生活に一番身近な自治体としてセーフティーネットの強化、そして暮らしの安心の内実をどうつくり出していくかということが第一に考えなければならないことです。  そんな観点から2006年度の決算内容を見てみるならば、子育て世代にとっては、子育てしやすい環境が少しずつではありますが、整ってきていると実感できる結果であったと思われます。保育園の新設、学童保育所の設置、子ども家庭支援センターの設置、児童館の対象年齢拡大など、見通しを持って取り組めば体制が整っていくことがわかりました。子育てサポートの取り組みを評価いたします。これからもこども育成計画のさらなる推進を期待します。
 しかし、こういった努力でも、なお待機児童の解消ははかどらず、働き続ける女性の増加、早い時期での再就職を希望する女性の増加を考えるなら、市長みずからが3歳児神話からの脱却を図る必要があるとともに、待機児童解消のための一層の努力と男性の育児休暇の推奨など、ともに働き続けながら、子どもを育てられる環境の整備の必要があります。  こども育成計画などは、計画の段階から市民が参画し、その進捗を行政とともにチェックしていっているのですが、計画がひとり歩きしていっている事業、あるいは計画があってもなきに等しいと言えるようなものも幾つか見られます。JR八王子駅南口再開発事業がそうです。今までに5回の減額補正、総額にして8億円余り、そして、2回の予算繰り越しが行われてきたことが質疑の中で明らかにされました。それぞれ理由が説明されてきているとはいえ、計画があってなきにひとしい状態と言えます。  機能回復道路や中央地区地域事務所などについても、十分な議論がなされないまま進んできております。市民に対する説明も不十分です。しかも、地域事務所の保留床取得や新市民会館の再開発ビル内設置は組合からの要請があって具体化したものであり、かつこれらの事業がなければ再開発ビルの建設もおぼつかないものと言えます。事業費の3分の1余りが公費となるにもかかわらず、計画はすべて組合任せです。
 市民を交えて、南口、どうするといった基本的な議論があってしかるべきですし、議会からも、そのような声が出されているにもかかわらず、立ちどまることをせず、2006年度においても4億8,000万円ほどの支出がなされています。
 道の駅についてもそうです。市長は事業は生き物とおっしゃいますが、市民の大切な税金を預かる長としてこれは余りにも乱暴な言い方です。道の駅については、当初示された計画事業費の1.5倍以上になっています。例えば防災対応型にしたことを予算が膨らんだ理由の1つに挙げられていますが、これは今後新たな工事を行う場合、常にこのようにするのか、それとも道の駅の場合だけのことなのか、市の方針が見えません。このように開発事業に関しては市の予算統制が非常に緩やかであると同時に、福祉、教育などに対しては大変厳しいものとなっています。
 市民ニーズの一番高い高齢者福祉に関して、そのニーズにこたえるものを提供できず、負担のみが大きくのしかかってきています。2006年4月からの介護保険制度改悪によって要介護軽度者に対するサービスの切り捨て、そして、家族介護への逆行が始まっています。国の制度が予防重視へと変わったとはいえ、事業主体は市です。市として、八王子の高齢者にとってどのようなサービスが必要なのか、また制度改革によってその影響がどのようになっているのかといった実態調査が何らされず、国の制度に高齢者の必要を合わせるという逆転現象が起こっています。  また、制度の改正を見越して計画された第3期介護事業計画に基づき割り出された保険料であり、保険給付予算であったにもかかわらず、サービスの使いにくさ、使えなさから7億円もの残を出していることを考えるならば、保険料に見合うサービス提供ではなかったと言わざるを得ません。2009年からの第4期介護保険計画で反映では遅過ぎます。
 2006年度決算では市債残高を減らし、歳入確保の努力は評価するものですが、支出において、土木工事、開発事業には計画、事業実施が甘く、介護保険など高齢者福祉に関しては大変厳しいものになっていることを指摘するとともに、こういった傾向は市民ニーズからさらにどんどんかけ離れていくことであり、かつ市民協働を掲げる本市でありながらも、だれに利する市民協働なのか、疑問に感じる次第です。
 以上の理由により2006年度決算認定に反対の意見とします。
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