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2008年度_第2回定例会(第5日目) 住宅・都市整備公社の報告への質疑 (2008.06.13)
物流拠点整備について
南口の自転車駐輪場について
◎【10番陣内泰子議員】 続きまして、同じくこの住宅・都市整備公社の報告について質問いたします。
 まず、物流拠点整備についてです。
 今、まちづくりの核で、見直しは考えていない。また、市長の方からも、需要はあり、そして圏央道の開通を含めて、それを活用して入りをはかっていく、それが重要だというようなお答えがありましたが、私自身は、やはりこれをきちんと、費用対効果も含めながら、精査しながら検討していかなければならないし、その意味からいっても、十分なその根拠、見直さないという根拠が示されているのかどうか、そのことを確認しながら今回質問したいと思います。私自身は、基本的には全部緑として残してほしい、そう思っているところです。
 この調査費用に関して、2007年度決算では今もありました二千三百万円余り、そして2008年度予算では四千万円余りが計上されているわけです。そして、先ほど、今後どれぐらいの費用をつぎ込んでいくのかというところで質問があったんですけれども、それに対しては、土地の所有をしているので最低の支出は必要だというお答えで、明確なお答えになっていません。そこでまず、調査費、これに関して今までどれぐらい投入されて、そして今この2008年度投入するんですけれども、これで終わりなのかどうか。まず、その金額、調査にかかった費用総額をお示しください。
 そして、このような調査はかなりお金が投入されるわけなんですけども、そのような中で具体的に今年度は基本計画、計画を立てるというような段階に入っていると思うんですけれども、この場合には事業というのは成り立たせる場合は妥当なのかどうか、やっぱり1年ごと精査していかなければならないと思うんですね。
 そこで、次にお伺いするのは、昨年3月、公社がこの報告書を出したわけですけども、この時点で事業を成功するに当たっての課題として、オオタカやトウキョウサンショウウオなどの生息が確認されたことへの環境の配慮と丘陵地への開発ということでの残土の問題、そして圏央道のフル化や北西部幹線道路、こういったアクセス道路の整備の問題が具体的に書かれています。そして、この1年間の調査、今までやってきたわけです。そのような調査の中でこういった課題がどれぐらい調整されたのか。どれぐらい事業としての見通しが今現時点で立っていると判断しているのか。だからこそ見直さないと言えるのか。その具体的な根拠というんですか、それをお示しいただきたいと思います。
 次に、今年度の調査に関しては、土地区画整理事業基本計画の策定として、基本計画、都市計画の検討、事業フレームの作成というふうになっています。今、環境アセスをやっていきますというお話もありました。しかしながら、では、この環境アセスというのは一体どの時点で、どこが行うのでしょうか。そして、事業フレームの作成といった場合に、この北西部幹線道路の整備などの道路整備を含めた財政的見通しを示すということなのでしょうか。つまり、1年前の公社の予算決算の報告のときに、市長は、財政見通しが立つような計画を立て、市民の皆さんを含めて理解を得て事業を進めていく、そうおっしゃっています。ということは、きちんとした財政的見通しが示されない限りこの事業としてスタートしない、また、できない、そのように理解していいのでしょうか、この点をお伺いします。
 そして次に、南口の自転車駐輪場についてです。
 この駐輪場計画については、当初計画9億5,000万円の予算で2,500台の地下駐輪場計画でした。そして、2,600万円かけて調査、実施計画を立てたところ、予算が大幅に増加、そして2008年度予算として12億5,000万円の債務負担が設定され、評議員会で反対意見があったということですが、承認されたという経過でした。ところが、これに関してはわずか2ヵ月後、見直し案として台数の変更、工法の変更が決定され、理事会、評議員会を経て承認され、先日の都市環境委員会で報告されたわけで、このことに関しては一般質問のときに、多大な努力を評価するとの意見があり、無駄な税金が使われずに済んだことを評価する旨の発言がありました。私自身もその努力には敬意を表するものではありますが、それでも腑に落ちない点がありますので質問いたします。
 2ヵ月で見直しができ、経費を縮減することができたということであるならば、何で3月の予算を立てるときに新たな工法へのアプローチができなかったのでしょうか。そして、どうしてこの時点で当初予算をはるかに上回るような計画を出してきたのでしょうか。私自身、まさに公社は機能不全に陥っている、そのように思えます。この点について御説明ください。
 しかも12億5,000万円の債務負担行為による工事費用予算ということですが、実際には15億7,000万円かかるという説明です。それは予算書の中には具体的に出ていません。予算に反映されない工事概算というのがどういうものなのか、これについても御説明ください。
 また、具体的には見直しがされ、その当初予算の中でこの計画が実施されていく、そのように報告されているわけですが、それでは、この計画を立てた2,600万円の調査費用、これは無駄になったということなのでしょうか。そして、その責任は一体だれがとるのでしょうか、お答えください。
 また、工事費用がなぜ膨らまざるを得なかったのかということに説明は伺っています。しかし、公社は、当初の予算、当初市との協議の中で承認した予算、その予算の範囲の中で事業実施をしなければならない、事業実施をする、そういった危機感が薄かったのではないかと思われます。というのは、公社がこの事業を請け負うに当たって、まず最初、スタートの時点で十分な精査を行ってこなかった、十分な精査がなされない、それが今回のこのような混乱の原因かと思われます。そのような中で公社の意思決定過程に問題はなかったのでしょうか。公社の理事長は市長です。そして、このときの常務理事は市の現役職員。公社の自律性について非常に疑問を持つところです。
 これで1回目の質問を終わります。

◎【高木順一議長】 交通政策室長。

◎【天賀谷通忠交通政策室長】 今まで調査費をどのくらい使ったかということでございますけれども、平成18年度と平成19年度にオオタカの生態調査と事業化調査を行っております。これは合わせまして約3,680万円でございます。それから、平成20年度につきましては引き続きオオタカの生態調査等を行い、それから基本計画を考えておりまして、合わせて約3,870万円の支出を予定しております。
 続きまして、事業としての見通しがどのくらい進んだかということでございますが、それぞれの課題につきましては一つ一つ関係機関と協議、調整をしております。一歩一歩着実に進めていくということでございます。
 それから、アセスはいつ、どこがやるかということでございますが、アセスにつきましては、準備組合を結成した後、事業者が行うことになろうかと思います。
 それから、財政的見通しがない限り事業のスタートはしないかということでございますが、先ほども御答弁いたしましたように、この事業は民間活力を導入してまいりますので、事業のスタートは、基本計画を立てた中でスタートさせていきたいというふうに考えてございます。

◎【高木順一議長】 まちなみ整備部長。

◎【山田政文まちなみ整備部長】 住宅・都市整備公社の南口駐輪場に関して御質問をいただきました。
 まず、住宅・都市整備公社が機能不全に陥っているのではないか、こういう御指摘があったんですが、住宅・都市整備公社は、私も3月末まで在籍しておりました。市と連携しながら、豊かなまちづくり、住民福祉の向上に一生懸命取り組んでいると考えております。  そして次に、予算の件ですけども、当初事業計画では総事業費15億7,000万円ということで検討しておりますけども、そのうちラック工事、そしてエスカレーター工事、合わせて3億2,000万円を22年度以降の予算で執行する、こういうような形になりましたので、当初予算を12億5,000万円というふうにしたところでございます。
 次に、2,600万円無駄ではないかというようなお話ですけども、これは駐輪場の基本構想の策定、そして地盤調査や実施設計に要した費用です。これにつきましては、このたび駐輪方式を変更して事業計画を変更したわけですけども、これらの成果につきましては今の新たな方式に有効に生かされていると。例えば基本構想の中でアンケートをとりまして、駐輪場が今後どのような使われ方をするのか、また住民の利用される方がどういったような駐輪場を望んでいるのか、こういったことを調査したり、あるいは動線等をさまざま調査しております。こういった内容は新たな駐輪方式の中でも十分生かされるということで、これは無駄ではないというふうに聞いております。
 そして、意思決定過程に問題があったというような御指摘ですけども、公社の事業計画、そして収支予算等につきましては、寄附行為の定めに基づきまして、まず理事会で審議をいたします。そして、評議員会の同意を得て、再度理事会を開催して議決をしております。このたびの南口自転車駐輪場に関しましても所定の手続を経て決定してございます。

◎【高木順一議長】 第10番、陣内泰子議員。

◎【10番陣内泰子議員】 まず、調査にかかった費用なんですけれども、私がこの間担当の方から伺っているのは、18年度、19年度、そして今年度20年度やるということで、合計するならば、先ほど3,800万円というお答えでしたが、それは違うのではないかと思います。7,500万円余りになるというふうに(「20年度」と呼ぶ者あり)20年度、合計で、18年度から。18、19、20年。20年度に関してはこの予算に出ていますので、わかります。というふうに、合計でそれだけかかっているということを改めて言っておきます。
 そして、これからの環境アセスに関しては業者が行うということで、これも民間活力の導入を図っていくという形で説明をされています。そのことについてお聞きしたいんですね。民間活力を図り、そしてその業者がアセスを行う。そのことについてなんですけども、この事業化調査報告書では手法のことについて説明されているわけですね。業務代行という手法、幾つかの手法が示されていて、A案、B案という形で示され、基本的にはこの業務代行でやっていきたい。これが民間活力の導入になるというふうな御説明でありました。そうした場合に、この調査報告書を読みますと、公社が今持っている土地があります。でも、それを業務代行にお願いして、そこの開発の費用、造成の費用等を請け負うということで、そのかわりに公社が得る換地、それが産業用平地として0.4ヘクタールというふうに書かれています。ということは、つまり、持っているのが公社の土地170ヘクタールですか、それの計画ということが出されているわけなんですが、でも、ふたをあけてみるならば、業務代行を請け負った企業がそのほとんどを得て、公社が得る、公社の手元に残るのが0.4ヘクタール、こういうことになっているというふうに説明されて、これは一体どういうことなんだろうととても不思議に思うわけです。
 そして、1年前、まちなみ整備部長は、物流拠点整備事業は公共性の高い都市施設の整備であり、本市の事業を補完し代行する本公社の事業としてその目的に合致している。つまり、公社がこの物流拠点事業というのをやるのはどうなんだろうか、そういう質問にこのようにお答えになっているわけです。しかし、今出されている事業計画を見ただけでも、市の大切な財産である緑を民間企業に売り渡し、公社が手にするのはほんのわずかな平地、しかもその民間企業の事業成功のために道路整備という多大な負債を市が請け負う、こういう構図になっているというふうに考えるわけです。どこが公共性の高い都市施設の整備なのか、理解に苦しみます。民間に丸投げではないのでしょうか。しかもこの業務代行が環境アセスをやるわけです。どれだけ客観的なデータが示されるのか、非常に透明性の低いものになってしまうのではないかと、これも大変危惧するわけです。
 しかも、この換地として得た産業用平地を使って、公社はどのような事業展開をしようとしているのですか、これもなかなか見えてきていません。結局は、その土地を民間に売り渡す、販売する、そのような形ではないのかと、これも不安に思い、この物流拠点という事業を公社がやると言いつつも、結果的にそこを占めているのは民間企業によるものになってしまう、そのように思います。
 そこで改めてお伺いいたしますが、物流拠点整備事業を公社がするという意義、去年そのように説明されました。でも、果たしてそれが本当に今、私自身、この事業計画、調査を見て、とてもそれが公共性のある事業と言えない、そのように指摘をさせていただいたわけですが、そういう中で改めて公社がこの事業をする意義が一体どこにあるのか、お答えいただきたいと思います。まず、先ほども指摘がありました、公社というフィルターを通して市の財産が目減りをしていっている、そのように思えてならないからです。お答えください。

◎【高木順一議長】 交通政策室長。

◎【天賀谷通忠交通政策室長】 今の御質問ですけども、公社の土地は0.4ヘクタールというお話ですけども、これにつきましては区画整理事業として行っていきます。御承知のように、整備手法はいろいろあるかと思いますけども、これについては区画整理方式で整備をしていくというようなことでございます。区画整理というのは、宅地だけではなくて、当然、公共施設を十分配置をしていく。それから、先ほど市長の答弁もありましたように、この地区につきましては緑を大切に保全をしていくという形で、かなりの形で緑を残していくような形になります。そういうことからいいますと、公社の財産が目減りするということはございません。あくまでこういう手法を使った中で都市基盤整備をしていくということでございます。
 それから、公社が物流をやる意義についてですけども、これは、御承知のように、市の中で都市計画マスタープランにもうたってありますように、八王子市として位置づけした中で行っていくというようなことでございます。

◎【高木順一議長】 第10番、陣内泰子議員。

◎【10番陣内泰子議員】 今お答えがあり、目減りをするわけではない、また、都市マスタープランに位置づけられている事業、そのような御説明でありました。しかしながら、具体的に目減りではないと言いつつも、それを示す具体的な客観的な根拠ですよね、データですよね。それからまた、今一体、事業がどうなっているか、そういう評価、それに対しての納得できるような説明、それがやはり欠けていると思います。
 そこで改めて、この事業のゴーサイン、いろいろなこういう条件が整わなければこの事業はなかなか大変なんだよ、そういうことがもう既に言われている。ですので、1年間調査をして、それがどう進んだのか、そういうふうに先ほど伺いました。それに対しても明確なお答えなりなかった。そして、改めてこの事業にゴーサインを出す。もし市が都市マスタープランに位置づけてあるのだからやる事業なんだということでゴーサインを出すに当たって、そのためにまだ残されている条件、それを改めてお伺いいたします。お答えいただきたいと思います。
 この物流拠点整備、本市の事業であるというならば、市がきちんと責任を持って、環境アセス、また財政見通し、それを立て、議会なり市民に対し説明責任を果たしていくべきと考えています。私は、物流拠点ではなく、まさに冒頭に述べましたとおり、緑という大切な財産を損なうことなく、環境と調和したまちづくりを図っていくというのが市民の大切な税金を預かる市長のなすべきことと考えています。先ほど、見直す計画はない、そのようにおっしゃいますが、やはりそれは一つ一つ1年ごと、条件がどうなのか、社会的環境がどうなったのか、そして財政的環境がどうなったのか、それを比較しながら検討していかなければならないし、きちんと納得のいく説明が現時点ではなされていないと思っているところです。それなので、このゴーサインに関しての最終的などんな条件がまだ残されているかについてお答えいただきたいと思います。
 そして、あと公社のことについてですが、先ほど、意思決定において問題はない、そして鋭意努力してやっている、そのようなお答えがありました。確かにそのようなことはもちろんわかります。本当に一生懸命やられているというのはわかるんですが、問題はそういうことではなくて、組織としてどうなのかということなんですね。公社はその役割を終えたとして解散決議までしたわけです。しかしながら、その次なる組織への転換、これが図れなくて、寄附行為を変更し、斎場建設並びに運営をすることで延命を図ってきているわけです。しかも、この斎場建設に関しては今年度の今回報告を出されている決算において8億円余りの工事費が支出されております。その建設、給排水、空調、幾つかある工事の中で建設工事を請け負ったのが市長の親族会社が他者と組んだJVでした。入札業者は4者、落札率は90.4%ということです。この契約そのものが問題ということではありませんが、この間、市長の政治倫理をめぐっての議論が議会でも取り上げられていることを考えるならば、すっきりしません。このような意味で改めて公社の役割、一体何をするのかということがもう一回精査されなければならないということを指摘して、終わります。

◎【高木順一議長】 まちなみ整備部長。

◎【山田政文まちなみ整備部長】 まず、昨年もこれはお断りしているんですけども、物流拠点の整備は非常に公共性が高い、八王子市の活性化にとって意義のある事業ということで、公社としてはそれを補完、代行するということで鋭意これを進めております。これについては、それを進めるために、平成18年に事業化調査を委託して行っております。この中で、先ほど公社の換地が非常に少なくなるという御指摘があったんですが、これはその調査内容をよくごらんいただければ理解していただけると思うんですが、数字の上で計算してあります。非常に少ない面積の換地になるんですが、今の土地の購入価格、評価額と整理後の換地の価格、この差額が、面積は減りますけれども金額的には上回っている、こういう計算ができております。したがって、財産が目減りするというようなことはございません。それをしっかり御理解いただきたいと、このように思います。それが1点。  そして、今後の課題、これは先ほどからも御指摘いただいていますけども、土工量の問題、これはありますけども、東京都のみどりのフィンガープラン、この中で一応の決まりがあります。しかし、土地区画整理事業におきましては東京都と協議をしながらこれは確定していくと、このようになっておりますので、こういったような大きな課題があります。そして、アクセス道路、これについても国とさまざま今後協議しながら、国の補助の導入等、これらを大きな課題というふうに位置づけて対応しております。
 あと、解散の決議は1度したんですが、昨年の12月にこれを取り消す評議員会の同意もいただいております。したがいまして、今後も公社は市と連携しながら八王子市の豊かなまちづくり、これに取り組んでいく、このような決意であると、このように聞いております。

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