[プロフィール] [活動日誌] [議会報告] [イベント案内] [みんなの居場所] [つくる、つくろう通信] [政策] [トップページ]
<<議事録メニューへ >>
2009年_第4回定例会(第4日目)一般質問(2009.12.03)
予算編成過程の透明性
地域ケア体制の構築について
働きながらの子育てをサポート
◎【9番陣内泰子議員】 本日最後、そしてまた、今定例会最後の一般質問です。8人目ということで長時間にわたっております。お疲れでしょうが、最後までよろしくお願いいたします。
 それでは、通告に従いまして、予算編成に関して透明性を図り、市民参加、市民の声はどのように反映されるのかという点についてまずお伺いいたします。
 政権が交代し、この11月、公開による来年度国家予算に対する概算要求の事業仕分けが行われ、大きな関心を呼びました。項目の選択や判断基準、手法など、そのやり方に対してはさまざまな疑問も出されているところではありますが、一部とはいえ、国民が国家予算の詳細を見聞きすることができ、何のためにその事業をどれだけの予算でやるのかということの議論が公開でなされたことは大きな意義があったと思います。  国民にとって、今までは結果だけしか知らされてこなかった予算ですが、今回の試みは、予算として固まる前の過程の一部を公開したことによって、政府はより一層の説明責任を国民に果たしていかなければならないという約束をみずからに課したことになります。市民の生活に直結する基礎自治体においてはなおのこと、こういった国の取り組みに先駆けてさまざまな事業点検が行われてきているところです。本市においても、外部評価委員による事業仕分けや職員による行政評価、さらに市民の行政評価アンケートや市民世論調査などが実施されています。実施計画の公表もされているところです。
 では、予算についてはどうでしょうか。ホームページの予算についてという項目を見ると、予算が成立するまでとして、まず9月下旬に市長が予算編成方針を各部に通知をし、そして、10月下旬に各部から予算要求、11月にヒアリング、そして、1月下旬に各部に対しての予算の内示、2月下旬に議会提出、3月に議会での審議・議決となっております。ということは、今はもう既に各部からの予算要求が上がり、調整作業等をなされているときと推測されます。そういった時期並びに経済不況による市税の大幅な落ち込みということもあって、今定例会においても予算や事業の選択などについての質問が多く出されてきているところです。
 そして、それらを整理いたしますと、2010年度は64億円の税収減、2011年度は同じく58億円、2012年も62億円の減と予想され、来年から向こう3年間の税収減合計は184億円に上るということです。一方、事業の実施については、大幅に市税収が落ち込むということがはっきりする前の昨年11月につくられた実施計画と今年度のものを比べ、何がどう変わったのかという他の議員の質問で明らかになったことは、事業の凍結はなし、都市計画道路などの事業の先送り、また、トイレ改修など事業費の抑制、事業費を進捗状況に合わせての整合、という事業実施計画を見直し、83億円を捻出したということです。新市民体育館や川口物流拠点整備などの大型投資的事業に関しては、慎重に判断しなければならないと言いつつも、市民意見がしっかりと反映されているものであると市長は強調し、事業変更を考えていないということでありました。
 市債の状況は、2010年は119億円の市債を見込んでいたわけですが、それでは間に合わず、プラス73億円の借金、総額192億円規模での市債を組まなければならないということでした。2011年に関しても、さらに80億円の市債プラス、2012年においても86億円の市債増で対応せざるを得ないという答弁でした。つまり、来年以降向こう3年、毎年200億円余りの借金をするということで、これは一般会計において、返す以上に借りないという原則がこの一般会計では守られないということになります。しかも、税収減を上回る市債発行額となっております。
 また、財政調整基金、これは市の貯金なのですが、八王子市の予算規模で言うならば、せめて50億円から60億円程度は基金として積み立てておくべきところ、2011年度末には7億円しかないというものです。大変厳しいものです。今後の予算編成に大変御苦労されることだとは予想されますが、1つこの中で確認できていることは、財政運営上みずから課してきた全会計において、返す以上に借りないという方針は堅持され、市民の市債依存割合をこのゆめおりプランの策定する期間内を通しての平均6%未満にするということ、それは守られるという話であります。  この意味で、市債残高の縮減に関しての御苦労には大変敬意を表するものでありますが、以上が2010年から向こう3年間の市の財政運営の枠組みになるわけです。このような状況で、市民としてもこれからどんな事業が実施されていくのか、大変大きな関心が持たれているところであります。そこで、問題は何かというならば、限りある予算をどう優先順位をつけて、市長もおっしゃるように、市民生活への影響を最小限にするのか、この議論であります。
 そこでお伺いいたします。八王子では、予算編成に当たって、実施計画に基づき各部別に一般財源を配分しているわけですが、決算審査特別委員会などで、教育予算が大変少ない、また、市民世論調査で高齢者福祉への要望が大変高い、また、貧困、格差といった大きな社会問題などが現在取り上げられている、このようなことを受けて、福祉や教育予算に対し手厚く配分するという例外を設けるとか、また、こういった特に教育、高齢者並びに貧困対策というものに対する重点項目化といった配慮がなされるのかどうか、その点について予算編成の基本方針に関してお伺いいたします。
 そしてまた、実施計画に沿ってどういった事業内容がどれぐらいの予算規模で予定されているのか。つまり、各部からの予算見積もりがどうなっているのかを明らかにすべきと考えますが、それについての御所見をお伺いいたします。
 また、予算編成過程を市民に見えるようにするため、各部からの要求額、そして、最終的な知事査定結果、並びにその理由などの公表についてのお考えもお聞きしたいと思います。
 次に、事業の選択と集中についてです。八王子では、2007年度から外部評価委員による事業仕分けが行われてきています。その成果や今後の取り組みについては既に他の議員の質問の中で明らかになっているので、省略をいたします。確認されたことは、事業仕分けとは仕分けすることに意味があるのではなく、それを予算にどう反映していくかということで、予算への反映についてはさらに公表していくというものでした。
 1点だけお伺いいたします。今までやってきた補助金についての外部評価委員の考えは既に公表されています。しかし、それをどう予算に反映していくかということは、各事業担当なり市としての考えによって取捨選択されていくわけです。しかし、これでは外部評価委員以外の市民の意見の反映が担保されません。我孫子市では、前○○市長のときに、補助金を3年ごとにゼロベースにして、改めて再申請、再審査という手続をとるという改革を行ってきました。そうすることによって、事業担当も、また団体も、補助金によってどういうことをやってきたのか、なぜ必要なのかということを改めてオープンにする機会を得るわけです。八王子において、この2年間、大きな労力を割いて実施してきた補助金の事業仕分け作業でありますが、これは一定程度の完結を見ているところです。そこで、その後のこの取捨選択が市民に見えるようにするために、また、取捨選択に市民がかかわれるような仕組みをつくるべきと考えますが、お考えをお聞かせください。見直しや改善が指摘されているものに関しては、また、さらにそれを継続する場合には、その根拠などを示し、市民に納得のいく手続をとる必要があると考えるからです。
 次に、安心して地域で暮らし続けられるために、地域ケア体制の構築に向けてお伺いいたします。
 まず、地域包括支援センターの役割の明確化についてです。厚生労働省は、2009年5月、2012年の介護保険改正に向けて「地域包括ケア研究会報告書〜今後の検討のための論点整理〜」を公表しました。これは昨日の他の議員からも示されたことです。これからの高齢者の増大に向けて、地域包括ケアシステムの構築と制度の見直しが必要だというものです。この制度の見直しについては今回議論するものではありませんが、地域包括ケアシステムとは、繰り返して言うならば、ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安心・安全、健康を確保するために、医療や介護のみならず、福祉サービスを含めたさまざまな生活支援サービスが日常生活の場、日常生活圏域で適切に提供されるような地域での体制と定義されています。おおむね30分の範囲でサービスが必要な利用者に届くことがイメージされているわけです。2012年の介護保険の改正もこの方向で行われると考えられます。だれが何をどういう方法でサービスを提供するのかという役割分担の問題はひとまず置いて、お尋ねするのは、市としてこの高齢者の安心な暮らしをどうイメージするか、地域包括ケアシステムを構築する、という厚生労働省の論点整理、これに対しての御感想をお聞かせいただきたいと思います。
 地域包括支援センターの役割がとても大きくなってきています。数をふやすべき、その議論もあります。しかしながら、今回の第4期の介護事業計画では、人員体制の強化に取り組むということで、数の増強にはつながりませんでした。しかし、地域のケア体制づくりのキーマンである社会福祉士の人員配置は、今12ある地域包括支援センターにおいてまちまちで、常勤、非常勤を合わせて4人いるところもあれば、1人しかいないというところもあります。そこで、こういった地域包括支援センターのばらつきをどう克服しようとお考えなのかお伺いいたします。
 また、各センターの活動状況の把握、それは相談件数やプラン作成件数、ある程度把握できますが、ネットワークづくり、つまり、地域のシステムづくりというものに関しては、その活動がなかなか目に見えないところです。何をどうするのかといった方向性をきちんと市が示していかなければ、今の委託という地域包括支援センターの働き方の限界がある中で、なかなか進んでいかないのは目に見えているところです。その意味で、市として地域包括ケアシステムについてどういう方向性を示すのか、お考えをお聞かせください。
 次に、働きながら子育てをサポートする、をお伺いいたします。
 今市で実施しているホームヘルプサービスとして、ファミリー・サポート制度、そして、ひとり親家庭へのホームヘルプサービス、並びにこども家庭支援センターが管轄している必要な家庭へのホームヘルプサービスという3事業があります。
 まず、ファミリー・サポート制度についてお伺いいたしますが、健康福祉の概要を見ると、依頼会員はふえ、提供会員も微増、しかし、活動件数が減っているということがわかります。そこで、この理由はどのようにお考えでしょうか。また、どのように分析されているのでしょうか、お伺いいたします。
 そして、この制度、活動が始まるまで大変ハードルが高いものになっています。登録して申し込むとカップリングの面接があります。5時までの時間内にそれをやらなければならない。特に仕事を持って働いている保護者にとっては、そこで1回休暇をとらなければなりません。次に、お試し保育、つまり、そのカップリングが維持できるかどうか、お見合いみたいなものです。お迎えを頼むのか、保育を頼むのか、いろいろあるわけですが、それを保護者同伴で一緒にやる、そういうことがあります。ここでさらに2回目の休みをとらなければなりません。ここで済めばまだいいのですが、さらに場合によっては、提供会員の方から、やはりできない、そんなお断りが入ってしまうケースもあると聞いています。また最初からの仕切り直しになるわけで、こういった利用の利便性並びに提供会員の人材育成などについての問題、どのように認識され、また対応を考えているのかお伺いいたします。
 そしてまた、こういった制度を利用しようとする場合、直接的には人の派遣という形で行われるわけですが、本来ならば、子ども家庭支援センターの18歳までの子どもとその養育家庭を支援するという枠組みの中で、これらのファミリー・サポートに対応して考えられるべきではないかと思います。この点をどうお考えになるのでしょうか、お伺いして、そしてまた、実施計画にホームヘルプサービス事業の統合ということが書かれています。それに関しては具体的にどのように事業を組み替えていくお考えなのかお伺いして、1回目の質問を終わります。

◎【市川潔史議長】 財務部長。

◎【田沼正輝財務部長】 予算の編成方針につきまして御質問をいただきました。
 まず、福祉予算や教育予算につきましては、このたび策定いたしました実施計画の重点項目として、子育てしやすい環境と医療体制整備を掲げております。また、これに基づきまして、予算編成方針におきましても、健康、医療、福祉施策の充実、子育ての支援と教育環境の充実を重点項目に位置づけております。
 次に、事業の規模についてでございますが、22年度予算につきましてはどういう姿となるか、ここでは申し上げられませんけれども、実施計画をごらんいただきますと、その第1編から第6編までにおきまして、個々の中事業の内容と事業費を明らかにしてございます。予算編成に当たりましては、原則これに沿って編成をしていくということになるわけでございます。
 それから、市民説明会ということでございました。予算につきましては、地方自治法の規定に基づきまして、市長が市民の皆様からの御意見、御要望、また市政世論調査の結果を踏まえまして編成し、そして、議会へ提出をいたすものでございます。議会におきましては、市民の代表者でございます議員の皆様の御審議をいただくことになるわけでございますから、改めて市民説明会を開催するという考え方は持ってございません。

◎【市川潔史議長】 行政経営部長。

◎【小島敏行行政経営部長】 事業仕分けと予算との関係で御質問をいただきました。外部評価による予算への反映状況につきましては、公表していくこととしております。その前のプロセスとして、さらに市民意見を反映する仕組みが必要という御提案だということで承りましたけれども、市民で構成されます外部評価委員会での評価結果に屋上屋を架すだけであり、そういった仕組みの必要性は感じておりません。評価結果を尊重し、総合評価で示された改善の方向をどう展開していくかは行政の責任でございます。所管部が、多様な評価の中で受益者との関係も含めながらどう時間軸をとり見直しをしていくのか、整理していくのか、そういったことが市民の納得につながっていくもの、こういうふうに考えております。

◎【市川潔史議長】 高齢者・障害者担当部長。

◎【橋本辰夫高齢者・障害者担当部長】 安心して地域で暮らし続けられるために、についての御質問にお答えいたします。
 初めに、厚生労働省が本年5月22日に公表いたしました地域包括ケア研究会報告書の感想でございますが、団塊世代が75歳以上になります平成37年には、人口の30%が高齢者になるという超高齢社会を目前にいたしまして、住みなれた地域で高齢者を含め市民が安心して暮らし続けるためには、市民ひとりひとりがみずからの問題として、自助、そして地域の互助のきずなを強めつつ、介護保険や行政の共助、公助というそれぞれが役割を担いつつ、地域の特性などを生かしながら、安心・安全のケア体制を構築していくことの必要性を改めて強く感じたところでございます。
 次に、社会福祉士の人員に関する配置についての御質問でありますが、地域包括支援センターは、法で規定されました社会福祉士、主任介護支援専門員、保健師等の定数を満たした上で、各圏域の高齢者人口や各地域の実情に合わせまして本市の基準に従い、追加人員の配置を行っておりまして、それぞれの職種がチームで連携し、地域包括ケアを提供できるように対応してございます。
 最後に、地域包括支援センターのネットワークづくりについての御質問でありますが、地域包括支援センターからの月例報告をはじめといたしまして、センターが開催する専門職を主体としましたネットワーク会議である地域ケア会議、あるいは住民主体のセンター支援会議に市職員が出席し、活動状況を把握し、必要に応じて関係機関へつなげるなどの支援を行っております。さらに高齢者虐待等緊急かつ複雑な相談につきましては、市が連携して対応してございます。

◎【市川潔史議長】 こども家庭部長。

◎【菊谷文男こども家庭部長】 ファミリー・サポート・センターの関係につきまして御答弁申し上げます。
 まず、ファミリー・サポート・センターの活動件数が減っている理由ということでございますが、保育園や学童保育所の延長保育が拡充してきたことによる送迎サポートの減少と、平成18年度から提供会員の自家用車による送迎サポートが有償の場合は問題があるということで廃止したことが主な理由というふうに考えております。
 次に、ファミリー・サポート制度の利便性等についてでございますが、この制度はもともと市民の相互援助活動でございます。有償ボランティアによる事業ですので、会員になる前に十分理解していただくため、説明会への参加や提供会員宅での事前面談等を行います。この手続等のため、すぐに利用したい方からは使いにくいとの声もございますが、制度の性質上、必要な手順であるというふうに考えております。
 次に、人材育成の件でございますが、お子さんをお預かりするための知識、技術等は必要でございます。提供会員になるには、保育士、教員、看護師等の資格を持っていない方は事前に3日間の研修を受けていただいています。また、現在活動中の提供会員向けの実務研修も毎年行っております。
 次に、ホームヘルプ事業の統合の関係でございますが、ひとり親家庭のホームヘルパー派遣事業と子ども家庭支援センターの育児支援、家庭訪問事業及びファミリー・サポート・センター事業を統合し、子育て支援関連のNPO法人に委託し、実施をする計画でございます。子育て支援のためのヘルパー派遣事業と市民の相互援助活動でございますファミリー・サポート事業の統合により、より多様な要望に1ヵ所で連携しながら対応できることや、受付時間の延長や説明会の実施回数増など、サービスの向上を図れるものというふうに期待しております。

◎【市川潔史議長】 第9番、陣内泰子議員。

◎【9番陣内泰子議員】 種々御答弁をいただきました。
 まず、高齢者の安心な暮らしづくりの方から再度御質問していきたいと思います。
 地域包括支援センターの仕組み、強化が少しずつ整ってきていることがうかがえます。センターの役割は4つ示されておりまして、その中心的役割としての包括的、そしてケアマネジメントをより一層強化することがこれからの高齢者の地域で安心して暮らしていける体制づくりに欠かせませんし、またパンフレットにもそう書いてあるわけです。そして、今そのネットワークについてお答えがあったわけですが、しかし、現実的に今地域の中で地域包括支援センターそのものがマネジメントの作業をどのような形でやれているのか、高齢者にその成果がどう伝わっているのかということがなかなか見えてきておりません。
 そういう中で、市として現行の制度の中で、この地域マネジメントをさらに進めていく具体的な手法です。ネットワークをつくるとか言ったりすることは、ある意味でイメージとしてはわかるんですけれども、では、具体的にどういう手法で進めていくのか、それが必要でありますので、それについてお答えください。
 そのような中で一つ心配なのは、介護保険制度が導入されたことによって、市の保健師活動や福祉事務所のケースワーカーから高齢者が抜け落ちてしまっていることです。市の中には、高齢者の地域包括ケアを支援する核がないと言えます。これでは具体的な支援のノウハウを蓄積することもできないわけです。東浅川や南大沢などの保健福祉センターに地域ケアシステムを支援する社会福祉士や保健師、看護師を配置して、それぞれの地域包括支援センターのスーパーバイズ機能として位置づけ、より広い視点でのサポートをする必要があると考えています。
 また、実際に活動をしていくのは地域包括支援センターがやっていくわけですが、そのスーパーバイズの中で市としての方向性、それを示していくことが必要になるわけです。そういうことが地域包括支援センターと有機的に結びつけていける結果になると思いますので、こういった庁内での体制、それについての御所見をお伺いいたします。
 先ほど1回目の質問で、高齢者の悉皆(しっかい)調査のことについてお聞きするのを忘れてしまいましたので、高齢者の実態調査について、お聞きします。
 まず、世田谷区で、ことし7月、65歳以上高齢者15万人を対象にしてアンケート調査をやるという新聞報道がありました。これは、大変すごい試みだと思います。実際に今実施しており、そして、具体的な調査が進み、なおかつ1,200人余りの要訪問対象者に対して、訪問活動をやって、さらなる調査をしているということです。私は、この高齢者の悉皆調査、全員調査、それを65歳以上にするのか、75歳以上にするのか、それぞれの自治体の課題であるかと思いますけれども、まずそういった実態、今高齢者が地域でどういう生活をしているのか、それが見えなければ、具体的な政策も立てられないかと思います。所沢市も実際にやっております。こうやって世田谷区でも始まっているわけなんです。そのことに関して、ぜひ八王子でも高齢者の悉皆調査、そういうことを始めていただきたいと思っているわけです。
 それに関しては、「まちづくり研究はちおうじ」、これで先日、市の職員、また市民の方も加わって地域分析調査というのが行われました。その調査のデータ、そして、ノウハウ、それをぜひこの悉皆調査の中で使っていただく。そういった情報の共有化が必要ではないかと思いますので、それについてもあわせて御検討ください。
 そしてまた、地域包括支援センターの支援づくり、そのことに対してもちゃんと職員は、「まちづくり研究はちおうじ」、この中で地域包括支援センターのサポート、そういった調査活動も実施し、また、報告書もまとめているところです。その成果を具体的な施策の中に反映する仕組み、それがなかなか見えてこない。その意味でも、きちんと職員のそういう発意を吸収しながら、横の連携をとって、事業の推進、特に高齢者実態調査の推進に当たっていただきたいと思いますけれども、それについてのお考えはいかがでしょうか。
 ホームヘルプサービスについてです。今新たなNPO、ホームヘルプサービス、ファミリー・サポート・センターを加えた3つの事業の統合をNPOに委託をしながら、より機動的に、そして、ニーズに沿う形でサポートをしていく、そのような統合を考えているというお答えがありました。そのような中で、一番大きなネック、このNPOをどう運営していくかということが問題であるわけですが、そこで必要なのは、移動の外出支援、それをぜひ組み込んでいっていただきたいと思います。
 というのは、ひとり親家庭のホームヘルプサービス、これには外出支援のサポートがありません。そしてまた、今車での移動に関して、ファミリー・サポートの中での提供会員が車を使ってのサービス提供ということはできなくなってきている、そういうことからのニーズが減ってきているという御答弁もあったわけですが、だからといって、移動支援のニーズが減ってきているわけではありません。この広い八王子、移動支援に対するニーズはより一層広がっていると考えるわけで、そういう意味では、NPOなど、移動支援サービスを提供する団体の育成を図り、業務委託をするような中で、このホームヘルプサービスの充実を図っていただきたいと思っているところですが、それについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 そして、予算編成の公表についてでございます。これは11月24日の都政新報です。この都政新報によると、多摩26市、2010年度予算編成減収見通しに危機感と題して、各市の予算編成方針の要点が掲載されています。それによると、厳しい景気低迷に伴う市税の減収を見込んで、事務事業の見直しやマイナスシーリングを打ち出しているところが多くなっています。事業の重点化などに工夫をするのが三鷹市や東久留米市です。三鷹市は、重点的に取り組む事業を絞り込み、セーフティーネットの推進など3項目、東久留米市では、枠配分方式を堅持しつつも、待機児童解消策、学校耐震の推進、都の消防事業委託、この3施策を枠外配分としています。また、シーリングについても、町田市は41億円の減収を見込み、5%マイナスシーリングを掲げているところです。また、環境対策に配慮した予算を目指す小平市は、CO2排出の削減効果の高かった上位3施設に対して、歳出予算不用額の一部を上乗せして充てるといった試みもなされているわけです。
 八王子の施策の重点化、これに関しては実施計画の中で行われているとの御答弁でありました。そして、子育て支援、そのようなことも重点課題になっているというお話ではありましたが、今回の実施計画を見ると、保育園の管理運営では分園開設や増改築など、記されていることではありますが、決してこれだけでは待機児童の解消にはまだまだ手が届かない状況であります。学童保育に関しても、前年に比べて予算減になっています。高齢者施策について言えば、地域包括支援センターの強化に伴う増はありますが、その一方で、高齢者住宅生活支援サービスは半減しています。教育予算についても、特別支援教育関連予算は1,000万円程度増額になっていますが、心のケアなどの不登校サポートは1,000万円の減となっています。これはほんの一例であり、また、具体的な予算の提示の中での課題になってくるかと思っているわけですが、この実施計画を見る限りにおいては、ここに市民の声の反映、また社会情勢を考慮してということに対して疑問を持つわけです。
 先ほども教育費を枠外配分、シーリング外にするという他の議員の質問に対しては、特にそういう例外は設けないという市長からの答弁もありました。でも、それでは今までの議会での議論、こういった議会での議論や予算をめぐる、また事業をめぐる議論というものがどうやったら予算に反映されるのか見えてきません。その点の御検討をお願いしたいと思います。
 さて、予算編成過程の公表についてであります。予算編成過程を公表する自治体はふえてきております。積極的に情報公開をし、納税者への説明責任を果たしている自治体の先例としては、鳥取市や我孫子市などがあり、年々広がってきているわけです。今のお答えの中で、予算の取りまとめ作業、それは市長が市民に負託されたことであるというふうに御説明もされました。また、事業仕分けに関しての最終的な取捨選択、それは行政の責任というような御答弁もあったわけですが、しかし、今これだけ市民の納税意識、そしてまた、事業に対する関心が広がっていく中で、なぜそういう選択がなされたのかということをきちんと見せていく。それは必要なことではないでしょうか。
 市民からの大変厳しい目線が執行機関や議会にも寄せられ、また、そのことが逆に行政、議会をも活性化させていくことと考えております。編成方針では、地方債を財源とする事業を厳選し、市債発行額を抑制するという苦渋の決断をせざるを得なかったと書かれているわけですが、残念ながら、市債発行は最初に示したように抑制されていないわけです。ということは、私たち市民としては、何を見て、どう判断していいかというその根拠が見えてきません。
 また実施計画を公表することと、予算編成過程を公表することは同義ではありませんので、今後の検討課題について、予算編成過程の公表について再度御所見をお伺いしたいと思います。
 また、今年度無理である場合には、来年度以降のルール化をぜひ御検討いただきたいと思うわけです。というのも、予算編成のベースとなる実施計画の策定が今年度で最後となります。ということは、今後の社会情勢の中で、この事業の選択のローリングが見えてこなくなってしまうわけです。これでは、今まで毎年ローリングをするという形で実施計画を示してきたわけですが、このゆめおりプランの最終年、2012年を前にして、今回の実施計画が最後ということであるならば、これから大変厳しい社会情勢、また予算状況の中で、事業の選択をどうするのか、それが一定程度きちんと市民に見えてこなければなりませんので、きちんとした予算編成過程の公表を図っていただきたいと思いますし、また、そのときには、あわせて市民意見の聴取もお願いしたいと思っているところです。
 というのは、例えば今回の実施計画に掲載されている新規事業の消費者センターの移設や拡充などで、これは駅前事務所が移転することによるものですが、場合によっては、そこを待機児童の保育施設に何とかならないかという考えも出るかもしれませんし、また、新市民体育館、これについては欲しいけれども、地域包括支援センターが今の倍になるんだったら、体育館については景気が持ち直し税収が確保できるようになるまで待ってもいい、こんな市民の意見だってあるわけです。
 そしてまた、この4日間の議論の中を通して、予算関連の議論がなされてまいりました。議会の意思として、教育への人的支援の充実、待機児童の解消などの子育て支援、また高齢者の安心に向けての施策強化などが、ある意味、議会の意思として大きな声として上がってきたかと思います。そう私は理解をします。しかしながら、これらに関して行政からは、今のところ大変冷たい反応でした。最終的には予算がどう提案されるかはこれからではありますが、議会で争点になっている問題、こういったものに関しての説明会並びに市民意見の聴取、並びにそのためにも予算の全体像を市民に見えるようにして示していく必要があると思いますので、改めてその点についての御意見をお伺いしたいと思います。
 次に、マイナスシーリングについてです。経常経費5%のマイナスという方針が出されているわけですが、これは指定管理者や委託費なども同様の扱いになるのでしょうか。委託先や指定管理者が支払う人件費にも大きな影響があると考えます。公契約条例はまだないところではありますが、市の事業を実施する人たちの賃金カットにならないよう対策が必要ではないかと考えますので、お伺いをしたいと思います。
 これで2回目の質問を終わります。

◎【市川潔史議長】 高齢者・障害者担当部長。

◎【橋本辰夫高齢者・障害者担当部長】 安心して地域で暮らし続けるためにということで御質問いただきました。いろいろと飛びましたので、適切に答えられるかどうか不安なんですけれども、初めに、高齢者の悉皆調査の必要性ということでございます。本市の11万人を超える高齢者数を考えますと、調査分析等に多大な時間と経費が必要であるという課題がありまして、一方、抽出調査でも高齢者の意向等についての把握は可能であるということから、悉皆調査の実施については考えておりません。
 また、都市政策研究会の地域分析の活用でありますが、御指摘のこの資料につきましては、他の資料と同様に、介護保険運営協議会及び地域包括支援センター等運営協議会等の委員に配付いたしまして、情報の共有を図るとともに、こういったものを活用いたしまして、高齢者施策の検討に資してまいります。また、同様に庁内の各関係所管の方とも十分今後とも連携をとってまいります。
 次に、地域包括支援センターの包括的・継続的マネジメント事業の進め方等でございますけれども、地域包括支援センターの主任ケアマネジャーが中心となりまして、圏域内のケアマネジャーの支援を行っております。日常的には困難ケースの相談に乗り、関係機関との調整に当たる等のサポートを行っております。また、そのような業務が円滑に進むよう、医師等の専門職とのネットワークづくり、あるいは事例研究等の研修会開催などにも計画的に取り組んでおります。こういった取り組みを踏まえまして、地域や事業者との信頼関係も徐々に構築されたというふうに評価しております。
 また、保健福祉センターに社会福祉士等を配置してスーパーバイズ機能を持たせ、地域包括支援センターとの連携をとってはどうかとの提案でありますが、今後地域包括ケアの充実に向けまして検討していく中で、そのような保健福祉センターの活用方法も含めて考えてまいりたい、そのように考えております。

◎【市川潔史議長】 こども家庭部長。

◎【菊谷文男こども家庭部長】 ファミリー・サポートの関係につきまして御答弁申し上げます。
 まず、ファミリー・サポート・センターの地域的な枠の中での支援ということでございますが、現在事務局は1ヵ所でございますが、説明会やカップリングの際には、嘱託員が地域に出ておりますので、適切に支援はできているというふうに考えております。
 次に、障害を持ったお子様の移動支援ということでございますが、自家用車での援助につきましては、18年度から行っておりません。先ほど答弁したとおりでございますが、自家用車を使わない徒歩や公共交通機関を使う援助であれば、障害の程度によりますが、現在でも提供会員が10数名おりますので、援助可能というふうに考えております。
 なお、障害を持った児童へのサポート要請がふえております現状もございます。理解と援助の仕方を学ぶための特別講習会も現在実施をしている状況でございます。

◎【市川潔史議長】 財務部長。

◎【田沼正輝財務部長】 予算編成におきます枠外配分につきまして御質問をいただきました。この枠外配分につきましては、本市におきまして、実施計画主導予算として予算編成をしております。この実施計画における一般財源の枠配分額、これを各部に示しまして取りまとめを行っております。この枠配分額の総額は、実施計画に計上された市税など、一般財源の総額をもとに配分をしてございます。さまざまな市民要望を踏まえた実施計画策定の段階で、重点事業への配慮はなされているものというふうに考えておりますので、予算編成におきまして、枠外配分をするという考え方は現在持ってございません。
 それから、予算編成過程での公表でございます。予算の指針となる実施計画につきましては、市民参加条例に基づく市民意見、これをでき得る限り反映するため、タウンミーティングや市政世論調査といった市民の声や要望、それから外部評価委員の御意見などを考慮して取りまとめております。したがいまして、予算編成に至るまでに、個々の過程において十分に市民意見は反映されている、そういう認識でございますので、改めまして予算編成における過程の公表につきましては考えてございません。


◎【市川潔史議長】 第9番、陣内泰子議員。

◎【9番陣内泰子議員】 種々御答弁をいただきました。高齢者の悉皆調査については、11万の高齢者に対してそれだけの体制ができない、費用もかかるということで、やるお考えはないということでした。しかしながら、清掃事業の中で、24万世帯、対面調査でマイバッグを配る、それによって清掃事業、ごみの減量についての市民理解が深まった、そういうことを八王子は、この間職員の大きな力でなし遂げてきたわけです。
 高齢者のことに関しては、いろいろなデータが既にあるわけです。介護保険の申請者、また介護予防を実際に受けているとか、いろいろなデータがあるわけで、そういうデータを蓄積しながら、どういう地理的な条件の中で、つまり坂道があるのか、階段があるのか、近くにお買い物をするお店があるのか、そういうことを含めた対面調査、それに対してのニーズ、それをきちんと把握していく必要があると思いますし、そうすることによって、高齢者の方の安心が本当に広がると思います。今地域包括支援センターの中でネットワークづくり、徐々に進めている、そのようなお話でありましたが、徐々ではだめなんです。一気にやらなければだめだと思いますので、それについて再度御見解をお願いしたいと思います。
 予算の編成過程についてです。今回このような質問をしたのは、実施計画、それに反映されている市民意見、それと実際の具体的な予算編成過程、その中にやはり乖離があるでしょう、その乖離をどうやって埋めるんですか、という問題意識から行っているわけなので、先ほども例でお示ししましたが、実施計画そのものに議会での議論や市民の声、世論調査の反映、それが決して反映しているというふうに思えない、そのところからの質問であるわけです。その点も含めてお考えいただきたいと思います。
 そして、市長にお伺いいたします。コンクリートから人への転換、そういう意味で生活重視を多くの人が求めているわけです。この2年間の税収増は税制改正によることもあって、市民生活の水準は決して向上していません。市税白書を見ると、1人当たりの給与収入の平均は2004年以降ずっと下降線をたどって、公的年金収入額もずっと減少し続けているわけなんです。基礎自治体として、福祉、教育の充実、高齢者や障害者の生活安定、セーフティーネットの強化、ここに軸足を移した政策が必定だと思っています。そして、そういう中でどうやって雇用とリンクさせるのかということを先ほども市長がおっしゃった知恵を使う、それを考えていかなければならないと思っています。
 また、子育てしやすいまちナンバーワンの八王子を目指してきました。本当に頑張ってきていると思います。でも、それ以上にひとり親世帯の貧困割合の多さ、待機児童の多さ、それを解消する方向性がこの実施計画の中で見えません。そのような観点を含め、大きな政策転換を図っていただきたい、そう思います。そして、これからの3年間、財政事情が大変厳しい。その中でのどういう事業を選択するかということに関しては、実施計画にとらわれない意味も含め、フリーハンドで市民との対話、その中で事業の検討をしていっていただきたい、そう思うわけです。市長のお考えをお聞きして、一般質問を終わりたいと思います。

◎【市川潔史議長】 高齢者・障害者担当部長。

◎【橋本辰夫高齢者・障害者担当部長】 悉皆調査につきまして再度御質問をお受けいたしました。先ほども答弁いたしましたとおり、高齢者にかかる情報につきましては、日々の認定調査やあるいは地域包括支援センターの日常的な活動、あるいは必要に応じて各種抽出調査等を行って把握に努めているところでありまして、計画の策定や施策の実施に当たっては、これらを十分活用して、効果的、効率的な執行をしてまいりたいと思っております。御提案の悉皆調査については、費用対効果、そういった点からも実施する考えはございません。

◎【市川潔史議長】 黒須市長。

◎【黒須隆一市長】 第9番、陣内泰子議員の質問にお答えをいたします。
 まず、お話にありましたコンクリートから人への転換、生活重視ということでありますけれども、コンクリートから人への転換というのは、これはキャッチフレーズとしてはいいと思うんです。しかし、御承知のとおり、これは災害から国民を守るという視点でもコンクリートは欠かせないものでございまして、コンクリート業者から抗議が出ました。それについて配慮が足りなかったと首相がおわびの会見もしていました。先ほど他の議員からも、一刻も早く河川改修をというお話もありましたけれども、これもコンクリートなしにはできないんです。ですから、適宜適切に予算配分をするということは大事なことだろう。ですから、キャッチフレーズだけでは政治というのはできない、このことをまず理解をしていただきたいというふうに思います。
 それから、実施計画についてお話がありましたけれども、これはゆめおりプランに基づいて実施計画はつくられているわけであります。これは、プランの策定を社会情勢や経済状況を踏まえながら着実に実施をしてきたものでございまして、特にゆめおりプランというものは大変大事なものだというふうに私は思っております。これは、御承知のとおり、市民委員138名で公募委員の皆さんに素案をつくっていただいた。これは、人口30万以上のまちでは全国でも初めての取り組みだったわけです。そして、大変いいものをつくっていただきました。ですから、議会でも、基本構想基本計画の策定では、初めて全会一致で全員の方が賛成して成立をしたものなんです。ですから、このゆめおりプランに基づいて、そして、このゆめおりプランを基本として着実に政策を実施していく、この考えは私は変わっておりません。
 また、市民とよくおっしゃいますけれども、市政世論調査あるいはタウンミーティング、市長へのはがき、メール、あるいはテーマを決めてのフォーラム、それから、大変数多い市民の集いにも私は参加をして、できるだけ市民の皆さんの意向というものを聴取をするように努力をしています。また、いろいろな団体からも要望をいただいております。職員にも、地域へ入って、そしてアンテナを高くして市民ニーズを的確に把握するようにという指示をいたしております。かつてとは比べ物にならないほど職員も市民の中に溶け込んで、そして活動しているということも事実です。
 何よりも議会の皆さんは地域やそれぞれ市民の立場の代弁者としてあられるのではないですか。もしあなたがおっしゃるような市民ということでしたら、議会は要らなくなるのではないですか。私はそう思わざるを得ないんです。間接民主主義なんですから、いろいろな地域やいろいろな立場の人たちの代弁をするのが議会の皆さんです。そして、私も市民に選ばれて、そして市長を務めているわけです。ですから、これはさまざまな機会で市民の意見を承っておるというふうに私は思っております。
 ですから、予算編成に向けても、先ほど担当部長からもお答えしましたように、予算編成に至るまでに十分に市民の意見、意向というものを反映して、そして、予算編成に臨んでいる、こういうことでございますので、これはぜひそのことを理解していただいて、これからもその姿勢を堅持して、しっかり市政運営に当たっていきたい、こんなふうに思っています。
   <ページトップへ>