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2009年_第4回定例会(第5日目)教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の報告書に関する質問(2009.12.04)
学力向上への取り組みについて
情報教育について
特別支援ネットワーク並びに高尾山学園について
登校支援に対する総合教育相談について
特別支援教育について
◎【9番陣内泰子議員】 続きまして、この教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の報告書に関する質問を行います。  まず、8ページでございます。学力向上への取り組みとなっております。国が行う学力テストについては、今回の国の仕分け作業の中でも大変厳しい意見が出ております。毎年やる意味や、学年を決めてやることなどについての疑問が出されていたことは、テレビや新聞等でも報じられているところで、よく周知されているところであります。八王子は学力定着度調査を実施して既に6年になるわけですが、この学力定着度調査がどう学力の向上に結びついてきているのか、また、毎年やることの意義などについてどう評価されているのか、お伺いいたします。
 次に、今までは経年変化を見るという視点はなかったわけですが、2008年度は、4年生、5年生と同児童を2年にわたって対象にし、実施しています。このような方針を変更させた理由は何でしょうか。
 次に、子どもたちの学力については、学力テストをするまでもなく、まさに日々接している現場の先生方が一番よく知っているわけで、その意味でも、このテストの見直しの方針はあるのか、お伺いいたします。
 次に、8ページ、情報教育についてです。昨年より、この情報教育への参加者が多くなったと報告されています。しかし、パソコン技術の習得並びにホームページ作成といったことにとどまっているのではないでしょうか。評価委員からの指摘にもあるように、情報教育を行う教師の力量の差をどうするのか、これが問題かと思います。情報教育のガイドラインの作成といった提案なども評価委員から出されているわけですが、情報教育というのは技術の習得だけではなく、情報へのアクセスと選択、調べ学習などへの活用といった総合的、また実践的な力量が必要とされてきます。その意味でも、学校図書館の活用、そして専任司書のサポートが欠かせないと思うわけであります。情報教育という観点から見て、学校図書館をどう整備していくのか、お考えをお聞かせください。
 次に、特別支援ネットワーク並びに高尾山学園についてです。不登校の数が下げどまっているとはいえ、まだ500人以上の不登校の子どもたちがいるとされています。この子たちの学習支援の場、それはどこにあるのでしょうか。今、八王子では登校支援という切り口で、登校支援ネットワークをつくってやっているわけですが、それと同時に、学習支援、その切り口も用意されることが今日的課題だと思っていますが、これについてのお考えをお聞かせください。
 また、高尾山学園の入学者が減少しています。これは不登校の児童、生徒が減ってきているという理由なのか。それであるならばいいわけですが、その一方で、体験入学しても通学にまで至らないというケースもあります。高尾山学園は、原籍校、自分の在籍校には行けない。しかし、どこかにつながっていたいという子どもたちに対するセーフティーネットになっていないのでしょうか。その点についてお伺いをいたします。
 次に、同じく登校支援に対する総合教育相談です。これも昨年に比べ、ふえ、また、多くのサポートが行われていると思います。しかし、問題は、こういった市のさまざまなサポートにつながっていない。なかなかつながり切れていない。そういった子どもたちもまだ多くいるわけです。そういった子どもたちへの対応、そこら辺についてはどのように考えておられるのでしょうか。
 同じく、この登校支援ネットワーク、昨年の評価も、ことしの評価も、Cということでありました。評価委員からは、不登校も含めたさまざまな課題に対する小学校段階からの支援体制の充実、保護者に対する専門職の訪問の実施などが提案されているわけですが、具体的にはどのように進めていくお考えか、お聞かせください。
 次に、18ページの特別支援教育についてです。前の議員からも指摘がありましたが、教員の資質の向上が多く求められています。今の答弁の中でも、学校の仕組みが十分に機能していない。そして、特別支援教育の支援センター、そのスタッフを強化して学校をサポートしていくというお答えではありましたが、それと同時に、現場の担任の先生方の力量のアップ、それが大変求められているわけです。この10月に厚生委員会で三重県の方に視察に行ってまいりました。その中で、1年間、現場の先生方が特別支援教育の対応、それをどうするのか、そういった研修を受け、そしてそれをそれぞれの現場に戻ることによって、学校の仕組みが早急に、また確実に前進し、サポートが進んでいく。そのようなことの視察をしてまいりました。
 そのような意味で、現場の先生方の研修というのは、大変重要であると同時に、また、時間もかかるということもありますので、それぐらいの覚悟でぜひ教員の研修に取り組んでいただきたいと思います。その認識について、教員の研修、スキルアップ、それをどのように認識され、また、今どのように行っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
 51ページの就学援助についてです。社会経済状況の中で、制度のPRや対象者の把握、このようなことに努めてきた、そのように報告されています。しかしながら、学校に出てこない。また、学校と接触をとれない家庭なども多々あると聞いております。このあたりの解決をどう図っていくのか。
 教育統計によるならば、長期欠席の理由として、中学生で経済的理由で学校に来れない。欠席せざるを得ないという生徒が2名いたという報告がされていますが、大変ショックなことでありました。
 次に、貧困の連鎖を断ち切るエネルギーを持ち得るような支援が必要であります。その意味で、就学援助の見直し、これのより強化、それからまた何を援助するのか、それから対象者の拡大、そのようなことを、今後もふえると思われるこの施策に対しての見通しを持った対応を図っていただきたいと思いますが、それについてのお考えもあわせてお聞かせください。
 そして最後に、53ページに書かれております点検・評価に関する学識経験を有する者からの意見に書かれていることについてです。二人の評価者の中から、自尊感情が持てない児童、生徒がふえていることを危惧して、健全な自尊感情をはぐくむ教育内容の実践研究並びにセクシャルハラスメントやパワーハラスメント、ジェンダーなどについても、それぞれのステージに合った形で教育を実践してもらいたい、このような指摘がなされています。今、若い人たちの間でのデートDVが大きな問題になっているのですが、これについて佐賀県の調査によると、中学生女子の自尊感情が大変低くなっている。また、そのことと、このデートDVの増加とも関係があるという報告もなされています。今回のこのような指摘をどのようにとらえ、また、その対策を考えているのか、お聞かせください。

◎【市川潔史議長】 教育指導担当参事。

◎【由井良昌教育指導担当参事】 学力定着度調査の評価についてでございますが、学校が自己の学力の定着の状況を把握することを通しまして、授業改善推進プランを見直して、それに基づいた学習指導の改善、改良を図る体制が確立してきているということが成果であるというふうに考えております。
 また、これまでの調査をもとにして、支援の必要な学校にアシスタントティーチャーを配置するなど、学力向上のための対策を進めて、学校間の差が徐々に狭まってきているということも結果として得られてきております。
 次に、同じ児童を2年間続けて調査対象としているというところでございますが、その結果を分析することで、個々の児童の学力の伸びや課題を明確にとらえることができる。これを指導に生かしたり、家庭と協力して学習生活習慣の確立を図ったりすることができる、こういうよさがあるというふうに思っております。
 見直しということでございましたけれども、2年間続けて実施するというのは、今年度2年間初めて終わるわけでございまして、その状況で、今申し上げたような子どもひとりひとりの伸びを把握した指導ができるというふうに考えております。ですから、現段階で見直すということは考えておりません。また結果の中で必要に応じて検討を進めていきたいというふうに考えております。
 次に、情報教育に関してでございますけれども、情報教育の充実や学校図書館の支援の仕組みの整備ということでございました。現在、専門的な技術を持つICTスクールアシスタントを各学校に月2回派遣いたしまして、学校ホームページの作成などの技術提供だけではなく、情報機器を利用しての調べ学習などにおける授業補助や、教員の研修、教材作成支援など、学校の状況に応じた教員のスキルアップや授業支援に当たることができるようにしております。
 また、学校図書館につきましては、中央図書館との連携を継続するとともに、教育センターに学校図書館サポートセンターを設置いたしまして、学校図書館を活用した調べ学習などが充実するよう、支援していくことを検討しているところでございます。
 次に、不登校の子どもたちへの学習支援の場の提供ということでございますけれども、高尾山学園や相談学級、適応指導教室、民間のフリースクールなどがございまして、ひとりひとりの状況に応じて利用されているというふうに考えております。
 また、不登校状態であっても、スクールカウンセラーやメンタルサポーターのいる日には登校できる児童、生徒もおりまして、学校の相談室などが学習支援の場となっているケースもございます。学習への意思が戻ったときには、その状態に応じた適切な学習支援ができる場を充実させる、そういうことを広報していく必要があるというふうに考えております。
 次に、高尾山学園への入学が減少しているということでございますが、入学して通学にまで至らないケースが確かにございます。体験入学を希望しても、体験通学できない日が何日もあった、あるいは体験の活動にほとんど参加できなかった、そういう場合に入学に至らないことがございます。これは体験入学に対する不安や緊張が高じるなど、小集団に参加する心の準備やエネルギーが不足している場合が多いのではないかというふうに考えております。今後、高尾山学園の取り組みを振り返りまして、より一層の充実に向けたあり方を考えるなど、高尾山学園も含めた不登校対策の成果と課題について検証を行いまして、総合的に検討していきたいというふうに考えております。
 次に、総合教育相談から見えてきた不登校の課題ということでございますが、総合教育相談を利用している保護者、児童、生徒がいる一方、不登校の状態を抱えながらも相談につながっていないケースがあるのも現状でございます。こうしたケースの中には、ネグレクトなどの家庭状況を抱えているために、学校からの支援だけでは対応が困難な場合もございます。このように、家庭への支援が必要なケースへの対応を考える上では、子ども家庭支援センターなど福祉領域の関連機関との連携体制の充実も今後の課題の1つというふうに考えております。
 次に、登校支援ネットワークに関する小学校段階からの支援体制の充実ということでございますが、平成18年度から登校支援センターを設置いたしまして、個票システムを活用した登校支援事業を実施する中で、支援を求める児童、生徒に早期に気づき、不登校状態になる前に支援することの重要性が明確になってまいりました。欠席状態などから気になる児童、生徒について、校内全体で情報を共有して、早い段階から組織的な支援を行うことが有効であるというふうに考えております。
 児童、保護者などが専門的な立場からの支援を受ける体制をより充実させまして、小学校へのスクールカウンセラー配置の充実や、スクールソーシャルワーカーの派遣を検討しているところでございます。
 特別支援教育に関する教員の資質向上というところでございますが、職場研修として事例研修などを積み上げていくことが重要であるというふうに考えております。その実効性を高めるために、各学校の特別支援教育コーディネーターを中心とした校内委員会や、巡回相談に基づくケース会議に、特別支援センターの心理士などの専門家を参加させるといった対応を充実させていきたいというふうに考えております。
 最後に、自尊感情やジェンダーに関する取り組みということでございますが、自尊感情が持てない中学生が5割を超えているという現状につきましては、このことが自信を持てずに意欲的に活動できなくなるといったことにつながって、それが非行などの生活指導上の課題につながる場合が多いという声もございます。大変憂慮すべきものであるというふうに認識しております。
 教育委員会といたしましては、自尊感情の育成には、子どもたちが移動教室などの集団体験活動に取り組む中で、成就感や自己肯定感、自己有用感を獲得することが必要かつ重要なことととらえております。現在、集団体験活動の内容について検討を進めているところでございます。
 最後に、セクシャルハラスメントの防止教育についてでございますけれども、男女の性差に起因する差別などは重大な人権問題であるというふうに考えております。人格形成上の意味を持つものと考えておりますので、人権教育プログラムや、本市の人権教育推進委員会が作成した資料などを参考にして、既に作成している人権教育の全体計画及び年間指導計画に基づいて指導していきたいというふうに考えております。

◎【市川潔史議長】 学校教育部長。

◎【石垣繁雄学校教育部長】 私の方は、就学援助の周知の徹底、それと強化という御質問でございました。毎年度当初、申請書を全家庭にまず配付し、周知を図っているところでございます。また、各学校では、給食費や教材費等の納付状況、それから児童、生徒の生活状況などを勘案し、随時、必要に応じて個別に申請を促しているところでございます。
 さらに、経済的支援が必要と思われる家庭に対しましては、学校と福祉事務所や子ども家庭支援センター及び民生委員等関連機関とさらに連携を図りながら、支援体制を強化していく必要があると考えているところでございます。

◎【市川潔史議長】 第9番、陣内泰子議員。

◎【9番陣内泰子議員】 種々お答えいただきました。学力テストについて再度お伺いしたいと思います。
 今の御答弁の中で、経年で見ていくことによって、個々の学力の伸び、またそれに対する適切な指導をしていくというお話がありました。ということは、きちんとそういう体制が教員の側、また、今の先生は大変忙しいという状況の中で、そういった指導をどうサポートしていくのか。それもあわせて考えられなければ、このような、やっていくことがきちんと子どもに戻っていくということにはなかなかつながらないというふうに思いますし、私はこの学力テストというものに関しては、そのために費やすエネルギー、費用、それを直接、今、大変忙しい先生方が子どもたちへ直接向かう指導に振り向けていただきたいと思うのですが、それについての再度の御見解をお願いいたします。
 そして、もう1点、情報教育についてです。今、ICTの職員を月2回派遣し、ホームページの援助をしていく、また、授業の補助も行うということなんですけれども、このICT教員という方の資格──資格というのはよくわからないんですけれども、司書的な、いろいろな資料に関する、つまり機械に関するいろいろな仕組み、インターネットにつながるとか、そういう技術、能力はお持ちの方だと思いますけれども、いわゆる図書資料、また文書資料、そういったものに対する見識、また、それに対するアクセスの仕方が子どもたちへの調べ学習に対する対応などの力量、そういったものがどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
 そして、学校図書館が、また中央図書館と連携して、より活用されるような仕組みというお話でありましたが、そのためには、学校図書館にパソコンが設置され、それがきちんと中央図書館とインターネットでつながるような、インターネット図書システム、同じように有効に利用できるようなシステム構築も必要かと思いますけれども、そのあたりについて、今後の御検討ということですけれども、そういうこともきちんと各学校に、中央図書館と同様の図書システムを入れていく、そういう方向性もお持ちなのか、その点をお伺いします。

◎【市川潔史議長】 教育指導担当参事。

◎【由井良昌教育指導担当参事】 まず、学力調査の結果のあとの対応ということでございますけれども、子どもの伸びや課題がわかる。これがどのようにわかるようになるかというと、返ってくる個票等でそういうものがわかりやすく示されてくるということでございます。ですから、教員もそれに基づいた対応もしやすくなるというのが、1つ、指導には生かせるというように思っています。
 現在、小学校におきましては、少人数指導、習熟度別指導に関する教員の加配がかなり進んでおります。そういう中で、各学校が授業改善推進プランに基づいた授業の実施をしていったり、あるいはアシスタントティーチャーや学習ボランティアなどの人的支援を一層行ったりして、より個に応じた指導を充実させていきたいというふうに考えております。
 次に、情報教育のICTスクールアシスタントについてでございますけれども、学校図書に関する技術があるというわけではございません。ただ、いろいろな検索をしたりですとか、資料を作成するパソコンの技能、こういうものは高いものを持っておりますので、学校の方の指示があれば、そういうものにも携わっていけると思います。
 それから、最後に、学校図書館の中央図書館とのパソコンの関係でございますが、学校の校内LANの整備を進めているところでございますので、その中で検討していきたいというふうに考えております。
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