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平成19年度_決算審査特別委員会(第3日目) 決算認定についての意見 (2008.10.08)
◎陣内泰子委員 それでは、無所属、市民自治の会の陣内泰子です。
 2007年度八王子市一般会計及び各特別会計の決算認定について意見を申し上げます。
  2007年度は、税源移譲や定率減税の廃止などの影響、先行きの見えない社会状況を反映しての給与所得の前年に引き続く減、そして、原油高や原材料費の高 騰などを受け、市長自身も市民生活は厳しい影響下にあったと述べています。個人市民税の現年未収がふえたことも、こういった市民生活を反映していると言え ます。
 また、市民税率の変更で言うならば、多くの市民からの問い合わせがあり、その対応に追われたわけですが、この問題は単に負担感という問題 だけではなく、実際に1万3,000人余りの人が2007年度中に所得税との相殺が行われず、取られっぱなし、しかも返還請求は申し出によるということ で、いまだ申請していない人が3分の1近くいるとのことで、この点は2008年度での徹底をお願いしたいと思います。
 このような中、市政の役割 とは、市民生活にどう安定感、安心感を示せるかということにあると考えます。そのような視点で施策を振り返ってみるならば、ごみ減量を目的とした有料化、 つまり、指定袋収入の使い道に不透明感があります。有料化導入から3年半、2007年度を見るならば、指定袋収入は11億7,000万円です。全人口で割 ると、市民1人当たり年間約2,000円の負担、3人家族なら6,000円余りです。税金で賄うべきごみ政策を指定袋を買っていただくということで推進さ せているのですから、その使い道は市民に対してより一層見えるようにしなければなりません。市長はごみ減量に向けて、市民の理解を得ていると述べておられ ますが、発生抑制や生ごみ資源化などの取り組みが進んでいません。
 充当先を見ると、みどりの保全基金に1億1,000万円、繰越金として一般会 計に1億4,000万円の積み増しをしています。また、使い道の費用対効果が十分に図られているとは思えません。さらにごみ減量に充てるという目的を持っ た指定袋収入ですが、ごみの焼却にも1億5,000万円もが支出されています。この収支は一般会計とは別にして、きちんとわかりやすく、市民に公表してい くものでなければなりませんし、施策の展開と収入との間に大きな乖離がある場合には、ごみ減量施策を維持しつつも、指定袋収入の見直しなり、市民負担を少 しでもやわらげるようにする必要があると考えます。
 南口再開発事業には多額の支出が行われています。市街地整備費補助、並びに市道1393号線 などの整備に合わせて11億6,000万円です。特に迂回道路整備は、再開発組合との負担割合が明確でない中での整備です。また、2008年1月の工事着 工は、覚書を変更してまでの着工で、新市民会館の保留床取得の契約はなされていません。このように見切り発車で既成事実だけが先行していく矛盾は、今年度 の新市民会館に附属する工事契約にもあらわれており、この事業を急ぐ必要性に疑問を感じます。  働く職場環境についてです。正規職員を減らしてい くと同時に、嘱託職員、臨時職員の採用がふえています。生活保護の窓口においても、相談業務、高齢者の訪問等を多くの嘱託職員が担っています。幅広い専門 的な知識、経験等が求められる仕事についているにもかかわらず、身分が不安定では、十分な市民サービスへとつながりません。同一価値労働に対して同一賃金 を保障する仕組みが必要であり、公務職場での責任は重大です。
 教育費についてです。
 1998年の教育費の総額を100とした場合、 2007年度の教育費は77と大きく落ち込んでいます。また、歳出の款別構成比を見ても、前年に比べて教育費の比率は0.8%少なくなっています。しか も、その中で、校舎建設設備等のハード支出が30%を占めています。教育長は、教育にマンパワーが必要との認識をお持ちでありながらも、ボランティアに頼 らざるを得ない状況がこのような資金不足の中から見えてきます。ボランティアの力をかりることの必要性は認めますが、行政として公教育の責任をきちんと果 たすことが求められているのであり、それはボランティアで代替できるものではありません。特別支援教育を初めだれもが安心して地域で学べる教育環境への人 的サポート、学校図書館の整備等がなかなか進まない原因でもあります。
 また、生活保護世帯がふえていく中で、子どもの教育格差も大きな問題で す。八王子の高校進学率は96.1%で、東京都の平均より低くなっています。進学しない理由はさまざまでしょうが、学力支援や高校進学に必要な経済的サ ポートが求められている中、十分に対応できていない現状があります。就学援助者の認定基準の引き上げや奨学金の拡大など喫緊の課題と言えます。
 介護保険についてです。
  まず保険給付費についてですが、当初予算を3億円余り補正減としながらも、なお、決算において7億3,500万円も不用額を出しています。このように保険 給付費が予定を大幅に下回る原因として、サービスが十分使えないといった制度とニーズのミスマッチがあると言えます。また、制度改正によって新たに創設さ れた地域支援事業が2年目となるのですが、こちらも当初予算を大きく下回る実績となっています。介護予防事業としての特定高齢者施策や一般高齢者施策が、 予定されたような展開が図られていないことによるものです。しかも、こういった介護予防事業に関しては、2008年9月、総務省の行政評価・監視報告で も、費用対効果の観点から厳密に分析を行い、事業のあり方を検討するよう厚生労働省に対して勧告も出されています。市独自においても、高齢者の実態、ニー ズを適切に把握し、分析して、求められる事業展開を図るべきです。
 包括支援センターについても、その重要性、必要性は高まっているにもかかわらず、十分に本来業務を展開する体制になっているとは言えません。設置数、業務の内容、支援体制など、課題の早急な整理と委託費などの再検討が必要です。
  最後に、準備基金積み立てについてです。保険料剰余金が9億円あり、それを積み立てたことによって2007年度末の現在高は13億円にも上ります。保険料 は第3期事業計画の中で必要なサービスを積算し、それをもとに算出されているのですから、剰余があるならば、保険料の減額に充てるのが本来のあり方です。 そこで、第4期介護保険事業計画において、高齢者の介護保険料軽減を少しでも図っていただくようお願いいたします。
 また、保険料区分についても8段階となっているのですが、まだまだ高齢者の生活実態に即したものとはなっていません。さらなる細分化の検討をお願いいたします。
  そして最後に、会計システムについて一言。2007年度6月にみどりの保全基金で取得された斜面緑地の費用支出が2007年度決算監査意見書には出てきて いないということがありました。これは4月、5月の出納閉鎖期間に会計上の処理がなされたことによるということですが、大変わかりにくいものでありまし た。分科会の中でも市民にわかりやすい会計システムの要望が出されていますが、いつ、どこから、どのような形で資金が支出されたのかということがきちんと わかるようなシステムにしていただきたいと思います。
 以上をもちまして、本決算認定に対して反対の意見といたします。
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